オバマ・ケアに関する国民総意のネジレ現象 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…


テーマ:
ちきりんさんのブログは、とてもおもしろくかつ勉強になるのでずっと読ませてもらっています。このブログでも過去に何度か引用させてもらいました。
http://ameblo.jp/yoshikunpat/entry-11346564269.html
http://ameblo.jp/yoshikunpat/entry-11153935743.html

このちきりんさんのエントリーもなかなか勉強になります。
アメリカの革新性&超保守性 2013-10-11
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20131011

ただ、以下の書き方はよくないのではないかなと思いました。って、こんなところで書いていないで、直接本人に物申すべきなのかもしれませんけど、どうやって連絡したらよいのかわからないし…

<引用始>
これを見てあたしは思ったよ。
これだからアメリカには二大政党政治が成り立つんだなって。

1)「全国民に医療保険を!」と唱え、「政府機関はもっと積極的にクラウド・ソーシングを使え! 問題解決策は市場から調達せよ!」と唱える民主党オバマ氏の革新性と、
2)「国や企業の予算で全国民に医療保険を与える必要なんてないだろ。んなもん、自己責任なんだから。どうしてもやるというなら、アメリカの国債をデフォルトさせるぞ!」と脅す超保守勢力の共和党

二大政党制が成り立つためには、これくらい掛け離れたふたつの意見が併存する必要があるんだよね。

<引用終>

医療保険問題と、この“クラウドソーシングを使え”の件とはぜんぜんつながっていないのです。
まず、ちきりんさんは“超保守勢力の共和党”の中で、クラウド・ソーシングに関してはどのような意見があるのかはまったく調べられていません。したがって、クラウド・ソーシング基準で、共和党側を「超保守勢力」と表現するのは無理がある。
また、「全国民に医療保険を!」(いわゆるオバマ・ケア)に関してはオバマ氏はクラウド・ソーシングを使って解決したわけではないですし、組み合わせるのは無理がある。


さて、上のちきりんさんの記事からは離れますが、「全国民に医療保険を!」に関して、米国民のマジョリティー(50%以上)が反対していることが日本ではピンときません。この点が、また面白い。

「民主主義」の原則みたいなところから考えれば、米国では「全国民に医療保険を!」はやってはいけないのですけれども、日本では反対意見がよく理解できないので“超保守勢力の共和党”がやっていることは単なる無茶苦茶にみえるだけ、みたいなところがあるようです。いきおい、オバマ・ケアに反対する意見を、“超保守勢力の共和党”がやっている政府機関を麻痺させてまでやっている「脅し」に近い活動に対する批判と混同したような意見ばかりが日本では書かれるようです。

この「脅し」については、米国民のマジョリティは反対のようです。したがって、「民主主義」の原則に立脚すれば、この脅しを批判する意見は正しい。

オバマ・ケアに反対する“超保守勢力の共和党”の行動には、マジョリティに反対された行為と、マジョリティに支えられた動機との間にこのようなネジレ現象が存在するのです。だから、なかなか手ごわいのです。単なる「脅し」だけだったら、ここまで揉めませんし、“超保守勢力の共和党”もバカではないですから、そもそもそんなことはやりません。

それから、オバマ・ケアがなかなか成立しない(しなかった)のは、「全国民に医療保険を!」が国民の総意であるにも関わらず、金持ちや財界が裏で暗躍して成立させなくしている(していた)という風に考えるのが日本での一般的な思考です。こう考えないと、日本人の頭の中で論理的帰結としてのオバマ・ケア反対が成立しないからです。しかし、そう考えたら、国民の半分が共和党に投票することが理解できなくなります。

そのような裏での暗躍もあるのでしょうけれど、普通に一般人にアンケートをとって、その結果としてマジョリティがオバマ・ケアに反対という結果がでていることは、それ以上に重要な民主主義運営上のファクターなのです。「全国民に医療保険を!」という考え方は美しいですし、“超保守勢力の共和党”の皆さんも、そこだけとればおそらく全員が賛成のはずです。米国は、基本的にキリスト教社会ですから。

しかし、現実問題として、誰がどのようにそれを経済的に支えるのかを考えることを抜かすわけにはいきません。この部分を考えることができる有権者の比率は、直感的にしか言えませんけれども、日米間で圧倒的な格差があると思います。日本ではまともに考えられる人は政治家も含め極めて少数派だと思います。米国では、普通の一般大衆が、自らの税金の額とその使途に関してセンシティブです。国の財政の健全性についてもセンシティブです。

単純化して言えば、その結果として、国民のマジョリティがオバマ・ケアに反対、という結果が生まれるのだと言ってよいと思います。

それから、“超保守勢力の共和党”の政府機関麻痺活動に対する批判については、アンケート結果ではマジョリティが反対しているのですが、その反対の理由として、オバマ・ケアに賛成するマイノリティによる「オバマ・ケアを潰すな」というような意見ももちろんあるはずですが、それ以外に、政府機関の活動が止まって困る(たとえば、パスポートが発行されない)という意見があります。そして、私の職場の身近なところでの意見として強いのは、今働いていな公務員も、働いていないにも関わらずその分の給料はいずれ払われるのだし、働かせろよ、みたいな意見です。


オバマ・ケアそのものと、それ反対する“超保守勢力の共和党”の行動との間で、国民の総意にネジレ現象が存在するという点を理解すると、今のオバマ・ケア関連のごたごたを理解しやすくなると思います。



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