1坊っちゃん、2人間失格、3吾輩は猫である | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

1位、坊っちゃん
2位、人間失格
3位、吾輩は猫である

何のことかというと、Amazon.co.jpのKindle本のページに出ているベストセラーの順番だ(私がこれを書いている時点で)。


日本語版Kindleを買った。一番安い、¥ 7,980 のKindle Paperwhite。なお、日本のうちの事務所に届いたとの連絡をもらったのだが、私は国外にいるので、この時点では現物にはまだ触れていない。


Kindleについては、このブログでも何度か触れている。最も最近のエントリーはこれ。

日本版Kindle (2012-06-27)

日本語版Kindleの発売予定をアマゾンが大々的に発表したときのものだ。

今まで実際に使ってきたのは英語版Kindleである。一番安い$69のKindle Paperwhite。タッチスクリーンではないし、ライトもついていないのだが、私は“本”として使って、大変重宝させてもらっている。その感動を表明したのが上のエントリーということになるのだろう。


日本語版Kindleはまだ手元には無いのだが、この機会にAmazon.co.jpのKindle本のページをみてみた。

ベストセラーのページは2列表示されていて、左列が普通の本のベストセラー、右列が¥0の本のベストセラー(タダなので、厳密にはベストセラーとは言えないのかも(笑))となっている。


¥0本のベスト3は上述の通りで、この3冊。


1.坊っちゃん 夏目 漱石   (新潮文庫)  ¥ 300

2.人間失格 太宰 治人  (新潮文庫) ¥ 300

3.吾輩は猫である 夏目漱石 (新潮文庫)  ¥ 662


さらに、ベスト10までみてみると、以下のようになっていた。


4.注文の多い料理店 宮沢 賢治  (新潮文庫)  ¥ 460

5.日本国憲法 日本国

6.こころ 夏目 漱石  (新潮文庫)  ¥ 389

7.ドグラ・マグラ 夢野 久作  (角川文庫)   (上)¥ 540、 (下) ¥ 620

8.蟹工船 小林 多喜二  (新潮文庫)  ¥ 420

9.モルグ街の殺人事件 エドガー・アラン ポー  (新潮文庫) ポー短編集 ¥ 515

10.学問のすすめ 福沢 諭吉 (岩波文庫)  ¥ 693


それぞれ、もし紙で買っていたら何円支払うことになるのかをついでに調べて、追加情報とした。



ベスト3を紙の本で買っていたら、支払い合計は¥1,262也。ベスト10まで買うと¥4,899也。


少々極端に状況を簡略化し過ぎかもしれないが…

Kindle前の時代だと、紙の本の製造コスト・流通コストなどに、ベスト3なら¥1,262、ベスト10なら¥4,899円がかかっていたことになる。視点を変えると、それだけの額が製造・流通に携わる人たちの収入になっていた。著作権は切れているので、著作権にかかるコストは関係ない。

さて、それがKindle時代に入ると¥0となり、他方で、Amazonには私がKindle購入のために支払った¥7,980が回ったことになる。



回る、回る~よ、時代は回る。

このお金のサーキュレーションの変化は、善いことなのか悪いことなのか?

Amazon、Apple、Googleといった巨大独占企業が、世界の情報を牛耳る形になるのは問題かもしれないが、消費者として実際にKindleを使ってきた私としては、日本でのKindleの販売を是としたい。それほどにKindleは便利だ。旧態依然とした本の業界に大いなる変革をもたらしてくれたKindleを、日本人消費者として私は素直に賞賛したいと思う。