民主天皇論 その6 (秩序と民主主義) | 知財業界で仕事スル

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最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…


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「秩序と天皇制」「無秩序と民主主義」これらが対になった状態で議論するのが、小林氏の系統に属するみなさんのパターンである。

小林氏等はそれらをつなげ、「規制や強制のない自由や権利は経済も崩壊させるが、学級も崩壊させる」「子供に規律や秩序の大切さを教えるためには、まずは国旗・国家の浸透からだ」などと説き(「天皇論」P369)、君主主義(天皇制)の強化を提案する。

しかし、そのコンビネーションの作り方は間違いである。民主主義は、国旗を否定したり国家を否定したりすることと繋がってはいないのだ。
民主主義のもとでも、国旗や国歌が当然存在するだけでなく、規律や強制も当然存在する。君主主義との違いは、その規律や強制を決めるにあたって誰がイニシアティブをとるのかという点である。


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08年に日本で大きな話題となった映画「YASUKUNI」のDVDを買って観た。市販のDVDは2枚組で、DISK 2には、右翼のみなさんのこの映画に関する議論が収録されている。

それを観れば容易にわかるように、一口に“右翼”といっても、それぞれ意見がずいぶんと違うのだ。
仮に、これらの皆さんの中から政治的に勝利した人が出てきて権力を持ってしまったらどうなるのだろうか?天皇に発言権がないことをいいことに、天皇の権威を借りて権力をとったものが好き勝手なことをやりまくる社会が再び出現する可能性は高い。権力を持たない君主制のもとでも、無秩序は発生し得るのだ。

その暴走の防止で威力を発揮するのが、民主主義的解決法である。実際、DVDでは、右翼の皆さんの議論はたいへん民主主義的な秩序の下に運ばれていたのが印象深かった。

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民主主義と無秩序とは対では無い。民主主義の下で規則や強制は作られ、それによって秩序が保たれる。
天皇制と秩序とも対ではない。天皇制の下でも無秩序が発生してしまうことは、既に歴史が証明している。

民主主義の原則の下で規律や強制を決めていった方が日本国民のためになるのか、君主主義の下で決めていった方がよいのか?
私には、民主主義による秩序の方に軍配が上がるとしか思えない。

衆議院選挙に沸く日本であるが、今回の選挙では民主党が国民に向けて提示しているマニフェストを中心に“議論”がなされる選挙になっている。昔の選挙のやり方が基礎的なところから変わってきていて、政策そっちのけで勝負が決まっていた頃が歴史になりつつある。民主主義がより機能する方向に、すでに日本社会は動いているのだ。
結構なことである。

(続)

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