一直線に延びた大通りの先には凱旋門、そしてエッフェル塔が見える。
5月の明るい青空の下、パリの空気を感じながらシャンゼリゼ大通りを歩く。
もう30年近く前になるだろうか。
結婚間もない頃、どこか旅行に行こうと事前に計画したわけでもないが、
ヨーロッパに行ってみたいと思った。(結果的に新婚旅行みたいな)
最初はどこがいいか。
やっぱり観光で楽しいところに行きたい。
いくつかの候補地からロンドンパリ欲張りツアー(?)みたいなのがある。
旅行会社のパンフレットからそれに決定。
パリに到着後、いくつかの有名スポットを添乗員さんとグループ観光。
日程がタイトで今だったらついていくのが厳しいと思う。
異国の地で見るものすべてが初めてだ。
気分は高揚し疲れなど感じようか。
日程には自由観光の時間があり、どこに行くかで悩んでしまった。
添乗員さんにアドバイスをもらう。
やはり妻は買い物をしたいらしい。
手始めに、三越パリ店に。
店内をサラッと流してそろそろ出ようかなと思っていたら、
何やら妻の声が大きく聞こえる。
店員に苦情を訴えている様子。
理由は分からないがトラブル発生!
相手の女性店員はフランス人か。
とても流暢な日本語で顔を見なければ分からないほど。
妻はプンプン。
理由が分からないまま店を出る。
気持ちが収まらないようなので別の店へ。
プランタン百貨店。
パリの老舗有名店だ。ここで何か買い物して機嫌を直してほしい。
スカーフか何かを買ったと思う。
それから何処かでお茶でもしようということに。
シャンゼリゼ大通り。
地下鉄に乗った気がするがよく覚えていない。
まっすぐな通りに多数のブランド店、カフェ、レストランなどがあり華やかな雰囲気。
景色を楽しむため、しばらく通りを歩く。
ちょっと疲れたところで目に付いたカフェに入った。
オープンカフェで店外の席に着く。
程なく、蝶ネクタイをした店員さんが来た。
カフェオレを注文。妻はオレンジジュースだったかな。
テーブルに置いた大きめのカップにミルクをたっぷり注ぐ。
それからコーヒーを。
「おぅ!」
と声が出るほど一口で違いを実感。
これまで飲んでいたのとは別物。
これが本場のカフェオレかと感動した。
普段はコーヒーをブラックで飲む。
たまにミルクや砂糖を入れたり、店でも気が向いた時にそれを飲むことはある。
でも、これほど美味いと思ったものにお目にかかったことはない。
この旅で最も印象に残った。
もう一つ、記憶に残るのはルーブル美術館で見た「モナリザ」。
思っていたよりも小さく、絵の周りには大勢の人だかりでゆっくり見ることができなかった。
それでも本物を見ることができたので良かったと思う。
食事は特に印象はないが悪くなかったと思う。
まあ、団体ツアー観光なので高級店はコースにない。
日本人の口、その人の好みに合うかどうかということもあり、
食事はほどほどで良いと思う。
Cafe in Paris
この後はユーロスターに乗ってロンドンへ