カモになる投資、カモにならない投資 | 木村佳子のブログ

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社会とのコンタクトポイントの一分野として経済・株式市場をとらえ、分析する過程で資産運用力を磨き、人間として深い「知」を獲得しよう

カモネギという言葉は鴨がネギをしょってやってきた、つまり、鴨が自分で鍋の具材になろうとしてやってきたということで「飛んで火に入る夏の虫」と同じような意味に使います。


でも、アニメのキャラクターに「カモネギくん」というのがいて、それを見て育った世代はそのカモネギくんとだと思うようです。


さて、今日のトピックは株式市場について。個人投資家が株式市場で大切なお金を無くさないように

注意してもらいたいと思って書きました。


株式市場は企業が発行した株券をいつでも売り買いできる場所の提供をしています。


そもそも論で言うと、起業にはお金が必要で、貯金をして会社を起こそうとすると時間がかかるから、起業にかかる費用は株で集めればいいよねということで株式会社方式が発達し、いやになったらいつでも売れる、有望だと思える会社の株をいつでも買える場所があればいいねということで「市場」が育ってきたわけですね。


有望なビジネスがどんどん出てくれば人はその会社の株を買い、資金を提供し、ビジネスを応援することで自分も社会参加できる。しかもお金も儲かる。こんないいことはありません。


でも、今の株式市場はコスパ男、コスパ女のるつぼです。

コストパフォーマンスを追及するあまり、金儲けの効率性を深堀りしすぎて、結果的に起こる定期的な暴落まで利用して「グズ」や「うましか(漢字変換ねがいます)」から金を巻き上げるシステムが生まれてしまっています。


企業のビジネスを育て、新陳代謝を促す装置としての株式市場ではなく、「株に儲けチャンスがある」と洗脳されてカモがネギしょって鍋までやってくる「鍋」のような存在になってしまっています。


カモにならない投資をしなければ、「株にチャンスがある」と過度に信じ込まされて、大切なお金をみずから沸騰したなべに放り込み、誰かの胃袋を満足させるカモネギさんになってしまいます。


株式市場を時々沸騰させては人々にお金を投資させ、腹いっぱいになろうという方法は1985年プラザ後合意以降から顕著になってきたように思います。


株価の急上昇、つまりバブルは終わりの始まりであることが多く、企業のビジネスに注目して始める株式投資とは違います。


カモネギにならない投資をしなければなりません。


そのためにはどんな会社の株を買えばいいのか、しっかり自分で研究し、納得しなければなりません。


もう一点、気をつけたいことは国有化されていた企業が民営化するときに、IPO直後から株価の変動が大きくなることがあります。事例としてNTT株を思い浮かべていただけるといいでしょう。

この国有化企業の民営化で大もうけしようとする投資家の動向には十分注意しましょう。


ソビエト連邦(現 ロシア)、中国においても国有化されていた企業の民営化の際に、その株価が大きく動いて結果的にお金を持っている「グズ」や「うましか(漢字変換ねがいます)」をカモにする展開が見られました。


企業を見る目、ビジネスの内容をよく考える投資をしないと「国有化企業の民営化での投資は儲かる」などと過度に思いこまされて、割高な株を買ってしまい、結果的にカモネギにされてしまいます。


私も常に初心に戻って研究したいと思います。


コストパフォーマンス追及が突出したマーケットは「そうじゃないでしょ、株式市場の役割は」とでもいうように時々、正気返りしたように熱が醒め、カモネギさんに

沸騰した湯に注意喚起してくれます。



そもそも論で株式投資を考えれば、値下がりした時こそ、自分がしたい投資の種蒔きができるチャンスではないでしょうか。