「塩辛」の行先
さて、真鶴の叔母から頂いた、塩味控えめの塩辛の瓶詰。
塩辛が大好物と言っても、６瓶を一人で食べ切るのはちょっと無理・・・。
日持ちも考えて、私は友人三人にお裾分けすることにしました。
最初に、“美由紀さん”にお裾分け。
美由紀さんは美容師さんで、生前の父と母、そして私のヘアーカット等を担当してくれています。
１９９５年ころから、ずっとお付き合いが続いています。
優れた“仕事人”です。
スローテンポで仕事をしているように見えるので、時間通りに終わらないのではと思いきや、
気が付けば、指定した時間よりも３０分以上早くに完成させてくれる優れた技術を持っています。
忙しなく手を動かしている方よりも仕事が早く、しかも丁寧。
そして頭脳明晰で、感性が研ぎ澄まされた、楽しく、しっかりとした方です。
倫理観や良識、常識もきちんとしていらっしゃって、父と母は彼女の大ファンでした。
父などは、自分の娘のように思っていたくらい。
私は一か月に一回、自宅で美由紀さんにヘアーカット等をお願いしています。
完成後は用意しておいた美味しいケーキを二人で食べながら、いろいろなことを話します。
自分とは異なる世界の話はとてもためになります。
信じられる人・・・。それが、美由紀さんです。
次に、“クニちゃん”にお裾分け。
クニちゃんは桐朋学園女子中学校からの友人の一人。
二人とも洋画が好きで、学生時代によく、ロードショーを一緒に見に行った仲です。
大学は別々でした。
その後クニちゃんの結婚を機に十年くらい、なかなか会えませんでしたが、
ひょんなことからお付き合いを再開することになりました。
もう一人の友人「オスミ」がそのきっかけを作り、クニちゃん、オスミ、私は、それぞれ年に一回ずつ、
持ち回りで、ホームパーティを開いています。
名称は「送受信の会」。
最初のパーティーの時にお互いのアドレスをお互いの携帯電話に送信したのですが、
三人とも手間取ってしまい、失敗の連続。
笑い転げながら、
「ねえ、私たちのパーティー、“送受信の会”ってことにしよう！」
となったのが、この会の始まり。
以来、十数年、送受信の会は続いています。
クニちゃんとは、京王線沿線のS駅の近くにある“ポエム”という珈琲店で待ち合わせ。
その日の戸外は、猛暑、猛暑、猛暑。
嫌になっちゃうくらいの「猛暑」！
大気がフラダンスをしているよう…。まるでアスファルトの砂漠です。
塩辛の瓶は、一応冷凍庫に入れて凍らせ、鮮度を確保しておいたのですが、それでもちょっと心配。
瓶に、カチカチに凍らせた保冷剤を巻き付け、薄手の緩衝材で一度包み、
その上をアルミホイルでしっかりと覆い、
もう一度プチプチ緩衝材で厳重に包んで、保冷袋に入れて持っていきました。
塩辛、お手渡しできました。
大学生のころ、仙川の桐朋学園の近くにも“ポエム”があり、最初にクニちゃんに教えたのが、私。
ポエムは学生時代の懐かしい思い出の場所。
その後、残念ながら仙川のポエムはなくなってしまいましたが、
京王線沿線のS駅の近くにチェーン店があることが判明し、
懐かしいからそこで会おうということになったのです。
ポエム…。大学時代によく注文した懐かしいメニューがまだあったので、それを注文。
４０年以上経っていますからはっきりとは覚えていませんが、たぶん、味は変わっていなかったと思います。
コーヒーとチョコレートをブレンドした冷たい飲み物です。
ついでにスコーンも食べてしまいました。
ポエムのスコーンは今まで食べた中で、一番おいしかった！
中学時代からの友人は、変わらず長く付き合っていられます。
それぞれ結婚などをして生活が変化しても、多感な思春期に培った信頼関係は、そのまま続くのですね。
様々なことへの考え方が異なっていたとしても、大元の価値観に共通点が多いと、ほとんど揺らぎません。
お互いがお互いに対して寛容になれるところがホッとするところです。
美由紀さんは大人になってからのお付き合いですが、父と母が大ファンになったということに、
現在の信頼関係が築かれる“縁”のようなものがあったのでしょう。
良縁です。
そして、クニちゃんとオスミ。
二人とも専業主婦ですが、社会性をしっかりと持っていて、
公私混同をしないところが素晴らしいと思っています。
二人とおしゃべりしていると私はとても安心します。
さて、今、私の住む街では、台風の影響で大雨になっています。
あっという間に風景が霞んでしまいました。
私は午後、ボイストレーニングに出かけます。
発声に少し癖がついてしまったので、矯正しているところです。
メンテナンスをしっかりしなければ、ネ (｡･ω･｡)ﾉ♡
いくつになっても訓練は欠かせません。
次回は、『塩辛最後の行く先…』。
友人「オスミ」とのお話をしましょう。
台風の影響が大きくなる場所に住んでいらっしゃる皆さん、
どうか、ご自身の身をしっかりと守り、
避難が必要であれば、迷わず避難してください。
命を大切に。
絶対に、絶対に、大切にしてくださいね。