北朝鮮考察

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北朝鮮を巡る情勢が緊迫しています。

ここまで様々な専門家や政治家の見方や憶測がありますが、実際の戦争状態や紛争に至る可能性に関して「極めて低いがゼロではない。」というものが最も現実的な指摘だと思います。

その理由として過去アメリカが核兵器の保有が明確になっている国に対して、先制攻撃を仕掛けた前列はない。先制攻撃の後に核兵器を使用されることへの懸念です。

また戦争には一定の条件と、後に得るべき利益が存在する事が多いのです。
まずは領土や資源を巡るもの、これは我が国も過去の歴史のなかで経験をしています。
次に人種問題です、民族の独立や分離により起こる戦争です。
そして今日の中東情勢にも関連する宗教を巡る戦争。
さらに近代的なものでは、東西冷戦におけるイデオロギー対立です。そもそもの朝鮮戦争はこれに由来します。
これらの要因が存在しまたは重なりあい、結果としてその先に求められる利益が存在する場合に戦争や紛争は発生します。
もちろんこれらに該当しなくとも突発的に起こることもありえます。

今日の北朝鮮情勢を考察したとき戦争や紛争に至る場合、どの状況に該当するのか。
我が国や米韓とのイデオロギーの違いは確かですが、東側諸国と言われた中国は程度はあれ世界的な資本の導入が進みイデオロギーで戦争に突入するメリットが少なっている。今日では北朝鮮が共産主義の世界的覇権の為に事を構える可能性は少ないと思います。
また民族問題に関しては、現在同じ民族で異なる国を統治している朝鮮半島ですから民族の統一のための戦争ということがあげられますが、これは今に始まった事ではない。
食料やエネルギーなどの資源が不足しているのは事実ですが、それを戦争によって得るには一定の地域や国を完全に制圧する必要があり、近隣諸国を見ても北朝鮮がそれを容易に可能になる国はないのでなかいでしょうか。

これらを勘案すると、これらの一定の条件やその先の利益を求めるために北朝鮮が戦争に突入する可能性は低いのでは?との指摘が理解できます。

では、今日の北朝鮮の暴挙にはどんな狙いがあるのか?これを予測したく思います。

私見になりますが、北朝鮮は先々「中国型の発展」を視野に入れているのではないかと考えます。

今や世界第2位の経済大国の中国ですが、1949年の国共内戦からしばらくの間経済はジリ貧の状態でありました。
農業政策や工業政策の失策、これは社会主義経済の限界ともとれますが、その後鄧小平による1980年代の改革解放路線により少しづつ西側諸国の資本の導入により経済は安定起動に入ります。GDPの成長率で見ると1990年から顕著な伸びがあり今に至ります。改革解放路線の後1989の民主化弾圧である天安門事件により、改革解放以来軌道に乗り始めた西側諸国からの資本導入が危ぶまれますが、これを日本や他の西側諸国との外交戦略により乗りきります。ちなみに天皇陛下が初めて訪中を行われたのは1992年ですが、中国がこの要望を日本政府に対して具体的に持ちかけたのは天安門事件の直後と言われています。
ここまでは経済の状況を雑駁に説明しましたが、ポイントは軍事、外交分野において、この間どのような事柄あったのか。

まずは領土を巡る争いは多発をしています。一例では1958年の台中間での金門島砲戦では両国軍の戦死者を出していますし、日中間においても未だに挑発行為は続いています。
ここで注目すべきは金門島砲戦の結末ですが、当初は両国で戦死者を出したものの、後は月水金と曜日を指定して砲撃をするとう型をとり、実質の破壊行為が目的というより手続き的な砲撃という状態が21年続き収束します。台湾側は中国の打った大砲の砲弾で包丁を作り、金門包丁として売り出すというおまけ付きです。
ここから解るのは実際に大規模な戦争に突入しようとう狙いはないが、領有権を主張するための手続きのようなアクションと見ることができます。

今日の北朝鮮も、まず一連の行動は超中距離のミサイルを有する事を主張をする行為と仮定します。一定の軍事力を誇示することによる条件闘争であるとする、
結局アメリカを射程に入れた大陸弾道間ミサイルの発射実験を行わないのは、それをすると実質的な戦線布告と取られる可能性への懸念ではないのでしょうか。
マスコミなどでは暴走国家のイメージが強いわけですが、北朝鮮であれ一つの国家です。極めてしたたか計算された暴挙である可能性も否定はできないという事です。

そして核兵器の開発です。

今や核兵器保有国となった中国ですが、1964年の新疆ウイグル自治区での水爆実験以降1996年まで46回の核実験とそれに合わせた、衛生ロケットつまりミサイルの発射実験も度々行われきました。もちろん当時はアメリカを中心とした西側諸国は厳し反応を示し続けてきましたが結果として止めるには至らず、アメリカが武力により中国の核兵器開発を抑止することはありませんでした。

中国は建国以来の軍事力の増強と局地的に誇示をする姿勢、そして核兵器の開発を行いながらも1980年以降は社会主義経済の旗を決して降ろさないものの実質的な資本経済により経済成長を遂げ、核兵器を抑止力として国際社会での発言力を有しながら局地的には手続きともとれる威嚇行動を今だ取り続けている状態と言えます。

つまり北朝鮮もこの状況に至ることは大いに考えられると思います。

最近では北朝鮮国内で厳しく規制されていた闇市を半ば黙認しているとの情報もあります。また世界は常により安価な労働力を求め続けているのも現実であり、資本の投資先を必要としてることも現実です。

そして核兵器や一定の武力保有を見せつけて抑止力を整える、これによりある程度の外交上の主張が可能になってきます。
人口や領土の面から中国のような巨大な国家にはならないとしても、韓国と同レベルの経済成長をする可能性はあります。
ひょっとすると、10年後に日本国内でmade in North Korea と表記された安価な商品が流通する可能性もあるのです。

これが「中国型の発展」を目指すとの予測です。



さて今日の状況に立ち返りますと、あくまで戦争や紛争状態に至る可能性もゼロではありません!
また上記に上げたような条件に該当しなくとも偶発的に戦争が起こってしまった事例も歴史の中には存在します。

我が国は国民の生命財産を守る為にどのうな状態にあっても、国防政策を万全に整えていく必要があるは言わずもがなです。
また国際社会の一員として関係諸国や周辺諸国との連携のなかで、アジアの中心国としての期待に応える必要も当然のことです。