ハラスメント研修を行っていると、管理職の方から
「こちらは気を遣って話をしているのに、『パワハラではないか』と言われるのがキツイです」
というお声を聴く機会がよくあります。
どのような言動なのか、もう少し詳しくお話をうかがってみると、確かにパワハラとまでは言えないですが、伝える際の声が大きかったり、語気が強くなっていたりして、受け取る部下からすると「威圧感」を感じる、ということがあります。
最近は、パワハラに対する認識もかなり周知されてきており、企業としても、管理職としても、「パワハラ的な言動はしてはいけない」という意識は高まり、部下指導の際にも気を遣っている管理職の方も増えてきました。
ですが、相変わらずパワハラではないか、といった指摘を部下側から受ける場面は、多くあるようです^^;
それでは、このようなとき、管理職はどのようなコミュニケーションを意識するとよいのでしょうか。
まず大前提として押さえたいのは、どれだけこちらが配慮をしたとしても、コミュニケーションの成果は『受ける側』にあるという点です。
コミュニケーションは、相手が何を受け取り、どう感じ、どのように反応したかがすべてとなります。
この前提からも、やはり管理職側のコミュニケーションの取り方を、時代に合わせてアップデートしていく必要があります。
とはいえ、「部下の問題行動を、やさしくオブラートに包んでしか指摘してはいけない」ということではありません。問題行動は問題行動として、きちんと改善を促す必要があります。
そこでお勧めしたいのが、「伝える内容は厳しく、伝え方は受け取りやすく」というスタンスです!
問題行動の改善を求める場面では、内容そのものはどうしても厳しくなります。例えば、
-「ここで確認をしなければいけなかったが、確認をしていなかった」
- 「ここまで一人でできるようになってほしいが、現状まだできていない」
- 「前回指摘したことが、今も改善されていない」
といったフィードバックは、どう言い換えても、事実としては受け取りずらいものです。
これをそのまま「なんでできないんだ」「前も言ったよね」という気持ちのまま伝えると、受け取りづらいメッセージになってしまいます^^;
大切なのは、内容の厳しさと、伝え方のトーンを切り分けることです。
語気を荒げることなく、声の大きさやスピードを落ち着けて、感情的にならず、ある意味「淡々と」事実と期待を伝えます。
そのうえで、相手の表情やうなずき、沈黙などをよく観察しながら、「ちゃんと伝わっているか」を確認していくことがポイントです^^
ネガティブな出来事が起きたとき、人間はどうしても感情的になりがちです。「なんでこんなミスをするんだ」「またか」という思いが、声のトーンや表情、言葉尻に出てしまいます。
だからこそ、自分の思考や感情を一度整理してから伝えるセルフマネジメントが欠かせません。
「今、自分はイライラしているな」「焦っているな」と気づいたら、少し時間をおく、深呼吸をしてから話し始める、伝える内容と言葉の脚本を書いてから言葉で伝える、など、自分の内面をマネジメントしたうえで行動する必要があります。
内容は厳しくても、伝え方を工夫することで、「叱責された」ではなく「一緒に改善できそうだ」と感じてもらうことは十分可能です!
※実際に、アサーティブコミュニケーション研修でのロールプレイでは、注意指導の場が、部下への期待に変化する場になることを体感していただけます^^
管理職の方が疲弊しないためにも、「伝える内容は厳しく、伝え方は受け取りやすく」というスタンスを、日々のコミュニケーションに取り入れてみていただければと思います。
