新型コロナウイルス感染症に伴う休業のご相談が増えています。 | 社会保険労務士吉川直子の人事・労務・人材活用実践ノート
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株式会社シエーナ代表取締役/社会保険労務士&ビジネスコーチ 吉川直子の公式ブログです。

 

 

改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令されたことにより、休業要請を受ける業種は、当分の間休業を余儀なくされています・・・。弊社のお客様においても、店舗をお持ちのお客様では、具体的に休業についてのご相談が増えていますメラメラ

 

 

 

特に、「休業手当」を補填してくれる雇用調整助成金の緊急対応期間(4月1日~6月30日)についてのお問い合わせも増えています。

※2020年4月11日現在、やっと詳細や所定の書式が掲載されましたあせる>>>>>厚生労働省HP

 

 

 

その他、会社(店舗等)を休業するにあたっては、「休業した場合の給与はどうすべきか。また、そもそも緊急事態宣言による休業は「会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)」の休業に該当するのか(休業手当の支払い義務があるのか否か)というご質問をいただいています。

 

 

 

本来勤務すべき日に、会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)により、従業員を休業させた場合は、労働基準法第26条の定めにより、休業手当(1日当たり平均賃金の60/100以上)の支給が必要になります。

 

 

 

今回の「緊急事態宣言」が出る前の取り扱いは、法的根拠に基づかない個別の「お願い」であったため、休業の有無も自主判断という取り扱いでした。したがって、会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)による休業ということで、休業手当の支払い義務が発生しました。

 

 

 

しかし、今回の「緊急事態宣言」は法的根拠に基づいての発令となっており、強制力はないとはいえ、休業要請を受けているため、そもそもこの休業命令が会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)による休業に該当するのか否か、という点が問題になります。

 

 

 

なお、天災事変等の不可抗力による休業に該当する場合は、会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)による休業には該当せず、したがってこの場合、会社は休業手当の支払い義務はありません。メラメラメラメラメラメラ

 

 

 

東日本大震災の際の計画停電における休業の取り扱いなども、該当通達がありますので、おそらく今回の「緊急事態宣言」による休業も通達が出るかと思われます。しかし、現在のところ、「緊急事態宣言」による休業のすべてが、不可抗力による休業に該当しない(在宅勤務等で対応ができる場合は対応すべきという背景から)という意見も出ているようです(4月7日の加藤厚生労働大臣の記者会見より)。

 

 


ただし、実務的には、「緊急事態宣言」による休業が、会社都合((使用者の責めに帰すべき事由)による休業には該当せず、したがって会社に休業手当の支払い義務がない、と明確になったからといって、休業手当を支払わわないとなると、当然休業する従業員の給料は無給となり、結果として従業員の生活に大きな影響が出て参ります。

 

 

 

したがって、国としても、休業手当の支払いが不要な場合であっても、会社で従業員に休業手当を支払ってもらい、その代わりに休業手当の補填を助成金で行いたいと考えています。

 

 

 

また、休業手当の支払い義務がない場合であっても、休業時の手当を支払ってもらえなかったという事実は、平常時に戻って業務を再開するときに、従業員と会社との信頼関係に影響します。それこそ、これまで育成してきた優秀な人材が、自社を退職してしまうという恐れもあります。

 

 

 

こうしたこと背景を踏まえると、「緊急事態宣言」に基づく休業が、会社都合(使用者の責めに帰すべき事由)による休業には該当せず、不可抗力であったとされても、会社としては従業員へ休業手当を支給する方向性が望ましいといえます。

 

 

 

一方、休業要請の非該当業種企業における、休業についてのご相談も増えています。

 

 

 

具体的には、「熱が出た場合従業員が、微熱があるのに会社に出勤してくるが休ませることができるか」「濃厚接触者が従業員の家族にいる場合、該当従業員を休業させることが可能か?」といったご相談です。

 

 

 

このような場合、個別に指示を行うと、新型コロナ感染に関する嫌がらせ、ハラスメントの問題にも影響してくるため、できればまず、会社としての社内方針を策定し、その上で社内方針に基づいて対応するという流れをとるのがスムーズです。

 

 

※例えば

 

【社内方針例】
1.発熱等、具合が悪い場合は、無理をせずに自主的に休んでください。
2.1を自主的に行っていただけない場合や、感染リスクが高い場合は、会社の判断で自宅待機を命じることがあります。

など。

 

 

該当従業員を休ませる際も、上記のような会社としての方針を策定し、周知していただいた上で、休業してもらっているという流れであれば、他の従業員の方も受け入れやすいかと思います。

 

 

 

逆に、休んでいる理由が不明確で、長期間自宅待機となっていると、他の従業員の方の不安感にもつながりますので、こうした会社の姿勢を明確にすることは大事ですメラメラメラメラ

 

 

 

先も見えず大変な状況ではありますが、大変な時期であるからこそ、会社としての姿勢が問われるとも感じます。

 

 

 

新型コロナウイルスに関するご相談には、個別のお客様に応じて、労務だけに囚われず経営全体からみた最適なアドバイスを心がけておりますので、ぜひ、お困りの際はお気軽にお問合せくださいビックリマーク