吉村栄一の著書『坂本龍一 音楽の歴史』を読み了えましたよ。
2023年2月26日、……教授が亡くなる1ヶ月前に発売になった本でして、表題のまんま、教授の生い立ちがガッツリ書かれてあります。
誕生から、音楽との出会い、大学時代、スタジオミュージシャン時代、YMO、ソロ活動、『戦場のメリークリスマス』、ニューヨーク移住、『ラストエンペラー』、環境活動、東日本大震災、中咽頭がん、パンデミック、……と続いていきます。
本当に全部、生まれた時から『12』の発売までを網羅してるので、もう完全版と言っても過言ではないでしょう。
まあ、教授本人の言葉ではなく、教授たちと縁のある吉村さんの視点でまとまってるので、そういった点では『音楽は自由にする』『僕はあと何回、満月を見るだろう』に勝るものではないかもしれません。
でも、教授の功績を理解するには本人の語りではなくこういった外部からの視点の方がすんなり理解できるとも思うんで、併せて読むといいのかもしれないですね。
ちなみに私が教授を知るきっかけになったのは、ラジオでYMOの曲を聴いてからなんですが、それと同時に教授の方にもハマっていき、最初に手にしたのが『DISCORD』でして。
ジャケットのデザインとか、音楽、クラシックなのにdiscord(不協和音)をテーマにしたり、それをジャングルミックスしたり、もうその全部がスタイリッシュでカッコ良かった。
で、逆算的に過去作を聴き込んでいき、『音楽図鑑』とか『Beauty』とか堪らなくなっていく。
で、初めての生体験が、実は99年のオペラ『LIFE』だったんですね。
いきなりのサカモト体験があんなだったから、今話題のオッペンハイマーの映像とかだったりするからもう、すごいもん見たとしか。
で、ライブツアー行ったり、ピアノソロ行ったり、ボサノバ行ったり、大貫妙子とのツアー行ったり、トリオツアー行ったり。
YMOも1回だけ見ることができた。
オーケストラだけが味わえなかった。
『LIFE』は一応、オーケストレーションでもありましたけども。
最後の配信形式のソロコンサート、……思い出すなぁ。
私的にベストだったのは、やっぱり初台のタケミツホールでのトリオツアーですね。
あんな距離感のステージで、教授とジャケス・モレレンバウムとジュディ・カンがフラッと現れてそのままフラット演奏を始めて。
『1919』演奏したんですけど、ジュディ・カンは真面目にスコアを演奏してるんですが、教授とジャケスがアドリブ合戦を始めてしまいましてね。
楽しそうに演奏してる2人が本当に微笑ましくてね。
いい空間だったんですよねぇ。
またあんな楽しいひと時、過ごすことできるんでしょうか。
映画も始まりますが、どうでしょうか。
息子が撮ったんだから、まあ新鮮さはあるでしょうか。
楽しみではあります。
ではでは。