永らく積読本の一つだった坂本龍一と福岡伸一の共著『音楽と生命』を読了しましたよ。
Eテレの番組『SWITCHインタビューの達人たち』で2017年に放送された教授と生物学者の福岡伸一の対談をまとめ、2020年のArt Boxに収録された往復書簡を加えて編集された一冊でございます。
内容的にはちょっと古いので、コロナパンデミックの話などはほとんどされてないんですが、専ら交わされていたことは「人間と自然の対立」ということでしょうか。
例えば星座。
人は星の一つ一つを結んで形を想像し星座を定義するけど、でも星の一つ一つには関連性はないし、なんならその放たれた光は時間も場所も何万年も違いがあるという。
自然という概念を言葉で定義しようとした瞬間に、それは自然ではなく人工物に成り下がってしまう、と。
「ロゴス」と「ピュシス」という言葉で2人に語られていて、それがかなり面白かったですねぇ。
また生物学的な側面で音楽を捉えるというのも新鮮で興味深く読めました。
『async』の頃のお話だったので、この本を読んでから聞き返すとまた味わい深くなるかもしれません。
というわけで『音楽と生命』堪能いたしました。
次は
教授の積読本の最後の一冊、『音楽の歴史』を読んでおります。
坂本龍一の歴史本で、これがかなり面白い!
今ちょうどYMOの『BGM』のあたり。
ではでは。