愛する祖母
無理やり生かされるなんておかしい。
かわいそうだ。
と点滴で繋がれる祖母の姿をみて、ずっと思ってきました。
でも今、この場にいるほとんどの人が、心穏やかに祖母を見送る姿を見て、自分の考えがいかに浅はかで勘違いだったかに気づかされました。
祖母は「生きた」んだなー。
もしも誰かが、祖母がかわいそうだからと点滴を外すことを決断していたら、その本人はこれからずっとずっと、「これで良かったのか」という気持ちに苛まれたでしょう。
例え、呼吸をしているだけでも、やはり人生を生き抜いた姿、全うした姿は93歳という年齢を超えて、とても美しく、この上もなく愛おしく、固まっていた私の心もストンと純粋な気持ちに変わるのを感じました。
今、ここにいるみんなが祖母を想っています。
本当に面倒見が良く、がんばり屋さんで、とても優しかった祖母を見送ろうと、会場にいらしてくださった、溢れんばかりの参列者の数を見て正直驚きましたし、祖母の生き方がどれほど立派だったか、と感じました。
おホネになった祖母。
辛かった日も痛かった日もあったでしょう。
それでもみんなが幸せになれるよう、ガマンしてガマンして、いつも周りの人を想う祖母であったことに、改めて頭が下がる想いです。
93歳まで生き抜いてくれた祖母を誇りに思います。
白水芳枝