食物には旬があり、その旬の美味しさに人を助ける効能があります。
例えると、夏季の暑さに対してナスビがその熱を収めるのに役立ちます。
秋になり 胃腸の弱い人が摂ると胃腸を冷やし、腹痛や下痢の原因となります。
春になると万物が芽吹き伸びるのと同じく、
人も気を高め活発になります。
人の身体も自然の一部です。
何らかの原因でその力がうまく伸ばせず、
気(気とは体内を巡るエネルギー)が季節に応じないと
五月病のような春のうつになりやすくなります。
そのために 気を昇らせて発散させる効能をもつ辛味を含む七草を使った七草粥を
食することは理にかなった習慣です。
反対に酸味は肝に欠かせません。
酸味は、気や血のめぐりと関係の深い「肝」に作用し、
イライラしやすいときにはリラックスに、疲れたときにはリフレッシュに役立ちます。
酢や柑橘系の果物、梅干しなどがおすすめです。
春に肝気高くなりやすくのぼせがちな高血圧・糖尿病の方は
酸味を摂ると回復に効果があります。
ところが 春に眠気・うつ症状のある場合の酸味の摂りすぎは
酸味のもつ収斂の性質が、この季節のルールである気を高めて活発にする、
に反してしまい逆効果となります。
旬の食材や、四季の養生の知恵を身につけることは役に立つでしょう。
できる範囲で、その地でとれる旬の食物を摂り、
できるだけ新鮮な野菜を おおく食べることをお勧めします。