「藍職人は病気知らず」その藍は板藍根!

板藍根はリュウキュウアイ(琉球藍・馬藍)、タイセイ(松藍)、ホソバタイセイ(細葉大青)の根のことで、

藍染の染料としても知られています。

昔から、藍染は虫よけ・マムシよけになる上に、野山を歩いてできる傷も治りやすいとされてきました。

大事な着物を藍染の風呂敷で包むのも生活の知恵です。「藍職人は病気知らず」という言葉もあります。

 

板藍根以外にも、効能を期待されて染料となる生薬は沢山あります。例えば、日本で古来より最も高貴な色であるとされてきた「紫」色のできる原料は、清熱解毒の作用がある紫根(しこん)という生薬です。余談ですが、紫根は世界で初めて全身麻酔による手術を成功させた華岡 青洲(はなおか せいしゅう)先生が作った軟膏剤「紫雲膏(しうんこう)」の構成生薬でもあります。

板藍根の性質・効能

薬理学的には、抗ウイルス作用・抗菌作用・解熱消炎作用(『漢訳の臨床応用』より)、

免疫増強作用板藍根 | 松浦薬業株式会社 | 食品原料 | 素材詳細より)などが認められています。

熱を冷まして解毒する「清熱解毒・涼血利咽(せいねつげどく・りょうけつりいん)」の効能があり、

ノドの痛み・高熱・発疹をともなう発熱性疾患に用いられます。

中医学の書籍を紐解くと、これらの効能は次のように表現されています。

板藍根(バンランコン)

【基原】
アブラナ科CruciferaeのIsatis tinctoria L.、タイセイI. indigotica FORT.の根。なお中国南部ではキツネノマゴ科AcanthaceaeのリュウキュウアイBaphicacanthes cusia BREMEK.などの根が利用される。
【性味】
苦、寒。
【帰経】
心・胃。
【効能と応用】
(1)清熱涼血解毒
瘟疫(うんえき/インフルエンザ・日本脳炎など)の高熱・頭痛、大頭瘟(だいずうん/顔面丹毒)・胙腮(ささい/流行性耳下腺炎)の腫脹疼痛、爛喉丹痧(らんこうたんしゃ/猩紅熱)などに、薄荷・牛蒡子・連翹・黄芩・玄参などと用いる。
方剤例)普済消毒飲 ※『中医臨床のための中薬学』(医歯薬出版株式会社)より
【薬理作用】
涼血解毒・清利咽喉
(1)抗菌:抗菌スペクトルは広く、多種のグラム陰性・陽性の細菌を抑制する。
(2)抗ウィルス:多種のウィルス感染症に対し治療効果があり、in vitroでインフルエンザウイルスを抑制する。

 『漢薬の臨床応用』(医歯薬出版株式会社)より一部を抜粋