11月の市民懇談会では収支等についての補足説明だけ?

 先日紹介した10月17日の部長会議録。その時触れなったこと。それは、会議の最後に報告された、明日、10月25 日(火)開催の全員協議会での連絡事項について。引用すると次のとおり。

→連絡事項に市民病院懇談会(11 月 18 日(金)、19 日(土))を追加する。(健康福祉部)

→評価委員会開催の4日後に懇談会となるが、その短時間で評価委員会の答えはまとまるのか。

→評価委員会開催後、時間を十分とるのは理想であるが、6月から7月に開催された市民懇談会で説明できなかった収支等について補足説明されるということであれば、期間をあけずに開催することも問題ないと思う。

基本計画等の内容は夏の懇談会資料のレベルだということになる

 評価委員会や市民懇談会の開催日程では、その結果が11月議会の議案に全く反映されず、意見の聞き捨てになることはすでに指摘しました。

 しかし、部長会議での報告からすると、市民軽視はそれにとどまらない。これまで市は、市民懇談会での説明は策定中の体育館病院の基本計画案だと言ってきた。ところが、実のところは「6月から7月に開催された市民懇談会で説明できなかった収支等について補足説明」でとどめる意向のようである。と言うことは、基本計画等の内容は夏の資料のレベルだということになる。

 もともと、Bブロック病院の計画を短期間に400万円で体育館病院用に修正することに無理がある。同じ市内とはいっても立地条件が駅前とは大きく違う郊外の体育館敷地での新病院計画を策定するためには、もっと期間と経費、そして公開での議論が必要。かつての、私案であるとして、できない言い訳づくりのための現地半額建て替え公約の密室検討・議論のようにはいかない。

 そもそも、体育館病院用に関しては、評価委員会は1度も開かれていない。評価委員会は昨年11月22日にBブロック病院計画案を議題に開かれただけ。

高い精度の運営収支試算が公表され、専門家や市民にる検証が必要

 そこで問題は、体育館病院計画案の詰めた内容が示されないこととともに、いやそれ以上にその「収支等」が高い精度で公表されるかどうかということ。市長は、11月議会に体育館病院の基本設計予算を補正予算議案として提出するとしている。常識的には、あまりにも拙速で乱暴な進めかた。それでも議案が提出されれば、議会では可決される。そうであるなら、「収支等」、すなわち体育館病院の高い精度の運営収支試算(シミュレーション)が示され、専門家や市民によって、十分検証される必要がある。5月18日の特別委員会で示された体育館病院資料を見て、即その場で完璧だと絶賛した議員グループに判断を任せることは、野洲市の将来にとって危険。

結論的には、期間、経費、議論の面から高い精度の収支試算は無理

 そこで、次の問題は、高い精度の運営収支試算が出せるかということ。結論から言えば、先に言ったように、期間、経費、議論の面から無理。その主な理由を列記すると次のとおり。

①収支試算の重要な基本である初期投資額を高い精度で出すことが困難。

 ㋐駅前土地は戦前から戦後麦芽工場があり、市はその跡地を土壌汚染の有無を確認して買収したが、体育館敷地はこのような土地履歴情報がない。新病院は温水プール跡地だけでは収まらなく、実質土地情報はゼロ。

 ㋑駅前土地の場合は、即、建設にかかれる更地だが、体育館敷地の場合は、体育館の巨大な屋外階段の移設など体育館の工事を伴う。さらに、国スポ等開催のための工事費用も無視できない額になる。さらには、高圧電線による電磁波対策や入口前の市道の右折車線整備等々が必要になる可能性がある。

②収支試算のもうひとつの重要な基本である医業収支を高い精度で出すことが困難。

 ㋐駅前病院の場合は立地が現市立病院と同じか、それより良い条件であるので、それを参考にして試算が可能であった。しかし、体育館病院の場合は立地条件が大きく異なるため、基礎からの試算が必要となる。

 ㋑市長は体育館病院の基本はBブロック病院を踏襲すると発言しているが、詰めた検討をすれば、診療科目等は同じでは済まないはず。吸引力のある専門医療科を設置して打って出るか、高齢者用の療養型病院にするかの選択が必要。その場合には、基礎からの試算が必要となる。

 ㋒シャトルバスや職員寮など駅前病院では必要なかった費用積算が体育館病院では必要となる。