説明会という対話型とパブコメでは機能が違う 正当性ない

 今朝の新聞折込で病院等の市民説明会中止の案内チラシが入っていました。改めて見ると、市議会の創政会の宣伝チラシのよう。

 それはさておき、そう思っていた矢先、知人から知らされて市ホームページを見ると、五月雨式に、行財政改革の説明会も中止する案内が出ていました。案内では、説明会に代えてパブリックコメントを実施するとなっている。

 これには驚きました。一言で言えばひどい。なぜなら、言うまでもなく、説明会という対面でのコミュニケーション(対話)とパブリックコメントでは機能が違うからです。箸と棒以上に違いが大きい。

 案がどのような内容で、今後の市民生活やまちづくりに影響があるものなのか不明ですが、もし、大きな影響のある改革案であるなら、説明会をした上で、パブコメを実施するぐらいの丁寧さが必要。パブコメだけで案を確定するなら、正当性が確保できない。

審議会などの検討を経ていない案のパブコメ処理は不可 市民無視市政の一段の改悪

 今回の説明会を中止してパブコメで代用するということは、些細な変更のように見えます。しかし、これまで進められてきた市民無視の市政の一段の改悪の兆候。

 改めて、問題点を整理しておきます。

①パブコメにかける案は、本来、市民代表や専門家などによる審議会などで検討された案であるべき。市長なり市職員なりが勝手に作った案をパブコメだけで処理することは不可。本来のパブコメ手続きは、審議会→議会→パブコメ→議会。

②質問応答がある説明会と違って、パブコメは基本的に一方通行。制度上は質問でなく、意見(コメント)を出すもの。ただし、そのコメントへの対応も出した本人に直接返されるものでなく、まとめて処理される。実質的には、聞き置く形の処理。

③行財政改革について市議会の関心が低く、関与が見られないこと。そのため、このような暴挙がまかり通る。

中止の理由が感染防止! 病院問題含め市民の間にあきらめ感が広がっている

 今朝ホームページに説明会中止の知らせが出ていることを知らせてくれた知人は、中止理由がコロナ対策になっていることに怒っていました。市のコロナ対策の基準でこの様になるのか?他の催しも同じ基準で中止になるのか?文化ホールやコミュニティセンターの利用制限も同様にかかるのか?こういった疑問がすぐに出てきて、その場しのぎの言い訳の感が拭えない。ところが、逆に「市民の皆様の感染防止を最優先し」と恩着せがましい理由をあげている。

 本来は、病院と駅前含め、市民に案内していた説明会をすべてを開くべき。それをこの時期に急にすべて中止する。これでは、市長が出席の説明会を元々開くつもりはなく、開くという意向だけを見せ金のように示すことが狙いだったと逆に勘ぐられて当然。行財政改革が「市が直面する行財政の危機に対し、取り組むべき事項」というならば、急を要する病院問題とともに、しっかりと 感染対策を講じたうえで、何が何でも開催すべき。

 いずれにしても、市民とともにまちづくりを進めようという意欲が見られない。今朝、説明会の中止を知らせてくれた知人は、病院問題含め市民の間にあきらめ感が広がっていると嘆いていました。しかし、あきらめ感の広がりではまちは良くならないし、栢木市長とその支援者の思う壺にますますはまってしまうことになります。

 市長には、まずは、このような行政の進め方を、議会とともに改革することから始めることが求められている。