アレクサンダーテクニーク教師養成講座学校で学ぶこと(20)

「ネガティブ」の取り扱い

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

【パンドラの箱】

ギリシャ神話に登場する女性パンドラ。プロメテウスが天上の火を盗んで人間に与えたのを怒ったゼウスが、復讐の為に作らせた人類初めての女性で、彼女に持たせて「絶対開けてはならない」と言った曰く付きの箱(実際はツボらしいけど、、、)。

あらゆる禍、不幸が入っているので、開けると大変なことになるのに、開けちゃったんですね。

とりあえず、蓋はしたけど、最後に箱の中に残ったものは、「希望」っていうのが落とし所。笑

 

「蓋を開けない方がいいぞ!」

「みちゃダメだぞ!」

っていうのは、日本のおとぎ話でも、浦島太郎の玉手箱、鶴の恩返しの鶴の姿だったりするんだけれど、

そんなこと言われて、

「意識しないではいられねえだろう!」

「そんな入れ知恵するんじゃねえよ!」

と思うけれど、そういう設定こそが、人間が生きていく上で置かれている状況とも言えるのですね。

 

【ネガティブなものの蓋をどうこじ開けるか?】

心理分析の世界では、現状の自分を保つ為に妨げになりそうなものは、意識から排除しようとする力(フロイトの言葉では抑圧repression)が働き、見て見ぬ振りをして、無意識に押し込めることは起こってしまいます。

 

だから、本来の自分を取り戻したいなら、抑圧していたものを意識の世界に引き戻す必要がある。だから、自分を自由に泳がせて、思考の流れに任せたり(自由連想法)、夢の中で起こるストーリーの中に象徴的な意味を見出したり(夢分析)、色んな試みがされてきたわけです。

 

ただ、このアプローチで共通するのは、意識と無意識の世界を分離することから「融合」させるという発想が出てくる所です。

だから、この方法に取り組む人には、エネルギーレベルが高く、知性があったり、好奇心や勇気を持って臨む力がないと、そもそもセラピーに来ない所もあります。

感情体験や未知の世界に臨んで、「問題を克服する感覚」が強くなる要素がどうしても入ってきてしまいます。

 

勇気を持って清水の舞台を飛び降りるかのうように、果敢に挑戦するドラマの主人公になってしまいやすいわけです。「ネガティブを克服するぞ!」って

 

【こじ開けなくても、開いている本来の在り方】

セルフフルネス(AT)では、「心と身体の統合機能」(本当の自分)、

別の言い方をすれば、「意識と無意識の統合機能」の真ん中に自分を置くこと

を目指します。

意識を使って「本当の自分」に近づくのではなく、

そもそも、本来「本当の自分」という統合体の中心に在るはずの自分であるので、何か手法を使って「なる」わけではないというスタンスを取っています。

 

すると、ネガティブなものも自分の一部として、当然あるものなので、勇気を持って取り組む必要もないわけです。

 

実際、私達のクラスでは、それぞれがコンプレックスとして感じていたものが、自然にクラスの人に対して表現したり、受け止めたりすることは多く体験します。

そこに、「励まし」や「見守り」の必要性がなく、

「傷つかないように」とか、「適切な配慮をして」など、腫れ物に触れるかのような注意深さが必要なくなる方向へと舵取りされます。

ネガティブな部分があることが見えてくるだけで、そこに罪悪感や拒否感などの感情反応が起きにくい状態でいるわけです。

(勿論、その場に相応しい話題以外をほじくり出すわけではないので、プライバシーの全てを曝け出すわけではないのですが、、、笑)

 

【ネガティブなものに大事なものを見いだす活動】

「自分自身のネガティブなもの」や、

「触れられたくないもの」の中には、

「生きていく為に自分にとって何が必要か?」

の答えが沢山潜んでいます。

 

だから、「本来の自分」(Primary Control)になってみると、「必要なもの」、「大事なもの」が意識の世界でも、無意識の世界でも沸々と湧き上がってくる体験になります。

無意識の中に押し込めることがなくなるのですね。

なぜなら、意識も無意識も全て統合された世界のど真ん中にいるから!

 

私は医師の仕事として、発達障害のお子さんやその家族との関わりの中で、普通なら触れられたくない話題に入る必要性があることがあります。体裁を整えていても、患者さんの本当のニーズが見えないことが多いですからね。

だけれでも、プライバシーを侵されたと感じたり、家族の恥に触れるというスタンスではなく、

「一緒に何が必要かを見ていきましょう!」

「恥ずかしく思っても、そこを共有することが大事!」

というスタンスで接する様にすることが多いです。

 

恥やコンプレックスを分かち合うって、人間として生きていく価値を共有する為にはとても大事なことなんです。

 

厳しい言い方をすれば、見て見ぬ振りしたり、腫れ物に触る様に扱う根底には、偏見や「可愛そうな境遇」の様な差別感覚が残っている為に踏み出せない要素もあります。

 

「ネガティブもポジティブも、また、それに対する反応も、人間みんな共通の在り方なんだ!」

「人間が生きていく上で、悪い面も良い面も、みんな起こるべきして起こるものなんだ!」

って言う捉え方の方が、意識の世界から見ても、ずっとポジティブ(生きることに肯定的)ですね。

 

セルフフルネス(AT)の活動は、この土台作りをしています。

セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)の活動に興味のある方、是非、レッスン、クラスにご参加ください!

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2025年1月からの生徒募集(1名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、ホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

8月、9月の開校日は

 

8月  5  6  7  9

9月  2  3  4  6

   9  10 11 13

      17 18 20

      24 25 27

   30

クラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

yoshiinadabsn@gmail.comにお問い合わせください。 

 

《福岡での個人レッスン》は、2024年8月25日(日)、26日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

8/25(日)8/26日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

ブログ:https://ameblo.jp/yoshi-inada/

フェイスブック:https://www.facebook.com/yoshi.inada/

twitter:  yoshi inada (@YoshiInada) / Twitter

youtube; Yoshi Inada AT - YouTube