アレクサンダーテクニーク教師養成講座学校で学ぶこと(18)

価値観の押し付け

〜東京アレクサンダーセンター(TAC)のトレーニングコースでAT教師になろう!〜

 

今回は、「価値観の押し付け」についてお話します。

 

【人の価値を決めつけない!】

カウンセリングの取り組み方でも、

「カウンセラーが自分の価値観を押し付けないで、相手(クライアント)の在り方を断定せず、相手を全存在として認め、傾聴する。」

みたいなことを基本姿勢として大事にしています。

 

これは、ATの基本姿勢と通じるもので、AT教師が、「心と身体の統合機能」(本当の自分)として、生徒さんと関わると、生徒さんの様々な言動(癖や仕草)に対して、好き嫌いの感情が出てきたり、気になったりしても、

それは、生徒さんの全存在の一部として働いている現象として捉える方向に自然になっていきます。

 

「人の在り方を決めつけない」ことは、同時に、「自分の価値観を押し付けない」こととも深く関連しています。

 

【頭(マインド?)が邪魔をする!】

「価値観の押し付け」は、何で起こるかというと、頭(マインド)が、実体(主に身体感覚)と乖離しているからです。

頭で考えたり、自分の中のイメージと照らし合わせたり、

自分の慣れ親しんでいる感覚と合わないと、違和感、もっと強くなると嫌悪感や拒否感が生じます。

 

でも、これらの現象は、頭の中だけで勝手に起こるので、

自分の身体感覚、ひいては外の世界の情報収集を怠って、現状把握ができないのに、

頭が「自分勝手」に結論を出していきます。

「人や世界の在り方の決めつけ」が起こるわけです。

 

頭が、自分の価値観を中心に世界を回して、

意固地になって、

外の世界の現状を受け入れないことが、

「価値の押し付け」と強く関係しています。

 

【意識改革では解決できない問題】

だから、頭で生じる「意識」で改善しようとしたり、変えようとしても、

「全存在として関わる」ことに関しては、無理があります。

言葉通りです。そりゃそうですね。

 

だけど、人間の頭って、「自分の定義」を身体不在で作ってしまう部分があるので、

自分では、ちゃんと考えて、真っ当に、客観的に判断してると思ってしまう。

 

「頭」は、

「自分」は、寛容で、愛があって、信頼関係を作れて、優しく接している!

みたいなことを本気で思い込んじゃう。

 

カウンセラー経験のある人はわかると思うけど、

頭で「寛容に、クライアントの全存在を受け入れよう!」

なんて一生懸命思っても、すごいバイアスがかかっていることが頻繁に起こる。

待ったなしで、人を判断し、決めつけ、自分の価値観を押し付けている。

 

意識改革したって、身体や外の世界の「現実」に触れていなければ、

「意識」の独り善がりになってしまうわけです。

 

「心と身体」(マインド、頭、心の定義はちょっと置いといて、、、)が乖離していれば、

頭だけで処理しようとして、身体が無視されて、「身体」は、穏やかじゃないわけです。

 

【「言葉」という結果に囚われる人間の性質】

「言葉」は、色んな現実や思考の流れから抽出された「結果」として浮かび上がるものなので、

「結果」を追っても、現状からどんどん離れていくのです。

 

自由とか平等とか、愛とか慈悲とか、

頭(マインド)の中で、「豊かな心の自分」を作り上げて、自己満足している人間の性質。

「心と身体が統合した状態」からしたら、ほんと的外れな訳です。

 

例えば、

1. 「アフリカの飢餓を救おう!」みたいなものは、

飢え死ぬことのない先進国にいる人達にとっては、「可愛そう!」とか思うかもしれないけど、

「飢餓に苦しんでいる」とされる人達の中では、その環境の中で、

それぞれ生き甲斐を見つけて生きている人も多いわけです。

そういう現状を無視して、

「可愛そう!」って、「彼らの現実」からしたら的外れじゃない??

自分が「平等」とか「慈悲」を持ったいい人間とでも思いたいの?

(ちょっと辛辣だなあ!苦笑)

「自由」とか「幸せ」は、各々の事情で、自分の尺度で作り出しています。

 

2. 発達障害で苦しんでいる人だって、

社会との関わりや自分に対する評価などには苦労したり、

誤解や偏見に曝されることも多いのかもしれないけど、

各々の内面では、サバイバルの為に色んなこと試して、

ああじゃないこうじゃないって、自分を生きようとしている現実もあるわけです。

それを、「助けてあげよう!」とか、憐れみを投げかけるって、「自己満足」?

自分が愛を持って接しているとでも思ってるの?

「発達」とか、「障害」って言うのも、社会の尺度で見えている「結果」であって、

それを「だから不幸!」とか、「かわいそう」とか、感情的に解釈することは、

「あなたの感想ですよね」ってなってしまう。

(ちょっと感情的になる俺!苦笑)

 

という側面もあるわけです。

 

【セルフフルネスの捉え方】

セルフフルネス(AT)では、人に対して「価値観を押し付けない」で接することは、

本当の自分(心と身体の統合機能)として存在している時に起こる現象として捉えます。

傾聴したり、相手の存在を否定しないで接することは、

良い悪いとかの判断材料ではなく、

自分が現実と深く関わって存在しているかどうかのバロメーターとして扱います。

 

人間は色んな体験に意味を見出しながら生きている「生き物」です。

しかし、意味を見出すことは、生きている証(結果)に過ぎません。

意味を見出し、生き甲斐を享受することは自然現象であり、一喜一憂することを否定する必要もないでしょう。

しかし、それに溺れていると、本来の自分を生きる(現実に生きる)ことから遠ざかるのも事実です。

 

「本当の自分」になることは、「架空の自分」から見たら、異次元の体験です。

煩悩に明け暮れる性質のある次元の自分を認めながらも、

「異次元の自分」になることへの取り組み。

実は、これは、「本来の人間の姿」であるとセルフフルネスでは捉えます。

 

セルフフルネス(AT)の取り組みに興味のある方、是非セルフフルネスアカデミー(東京アレクサンダーセンター)の活動にご参加ください。

お待ちしております!

 

新入生募集

東京アレクサンダーセンターの教師養成クラスでは、2025年1月からの生徒募集(1名)しています。

 

《若手教師による初心者のためのATトライアルレッスン生募集》

 

詳しくは、ホームページをご覧ください!  

Tokyo Alexander Centre | アレクサンダーテクニーク 教師養成クラス (tac-self-fullness.net)

 

【ウィークデーモーニングクラス(月火水金曜日)】(9:30~13:00)

8月、9月の開校日は

 

8月  5  6  7  9

9月  2  3  4  6

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      17 18 20

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クラスの予約、ご質問は、すべてメールにて、

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《福岡での個人レッスン》は、2024年8月25日(日)、26日(月)です。

(福岡の予約、お問い合わせは、メールで、 <uzumaki@hya.bbiq.jp> にお願いします。)

8/25(日)8/26日(月)稲田祥宏の個人レッスンin福岡 – JATS 日本アレクサンダーテクニーク協会 (alextech.net)

 

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