手塚治虫極めつき1000ページ | あなたの夜を埋める物

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手塚治虫極めつき1000ページ/手塚 治虫

「短編35本収録。記念物としても買ってみたいのだが、価格の割りに、本の質は“上等なコンビニコミックス”レベルらしいのでちょっとムニャムニャ…」


『手塚治虫極めつき1000ページ』という本が発売されていることを知った。
そういえば、今年は手塚作品の映画化やアニメ特番がちょこちょこやっているなあと思っていたが、去年が生誕80年の記念年だったのか。

手塚治虫といえば、高校の時の文庫漫画ブーム時に、火の鳥、ブラックジャックとかの超代表作を読んで、面白さと込められたメッセージの大きさに衝撃を受けまくったのだが、それ以降ちゃんと読んだ手塚治虫作品といえば『奇子(あやこ)』くらいだ。

細かいところはもううろ覚えなのだが、とにかく「面白かった!」という印象が今でも強く残っている。
戦後日本のどろどろした、欲望と罪と禁忌にまみれた大人たちの犠牲となった少女が美しく成長し、ラストの自分を暗闇の人生へと追いやった家族たちへの無意識で無邪気な復讐ともとれる、あのコマを読んだ時の爽快感…うーん、ちょっとまた読みたくなってきた。

手塚治虫の漫画って、意外とキャラクターは知っていても原作は未読。という人が結構多い気がする。アトムなんかは特にいい例じゃないだろうか。
しかし、なにしろ漫画の神様、今月から刊行された文庫版全集が200巻(既に刊行されている全集400巻の文庫化だそうで)という、子供向けから大人向けまで、ジャンルも半端無いので全てを読むのはあきらめた←早。

そこで、自分好みの手塚漫画を調べてみて、ピックアップしたのは、W3(ワンダースリー)と、MW(ムウ)と、七色いんこ。とにかく悪役が活躍するやつ、ブラックなストーリーが読んでみたい。悪役が魅力的なのって…いいよね。ブラックジャックも社会的には悪役設定だし。
特にMWは原作をちゃんと読んだ上で、のちのちDVDで発売されるであろう実写版を見て、思いっきりツッコミたい(笑)。

手塚治虫の作品はヤバイやつは本当に時代設定や倫理的に放送禁止レベルな作品が多いので、基本的に初期作品と子供向け作品以外は、手を出さない方が絶対いいと思う。
特に手塚作品の実写版で成功または大ヒットした話を私は聞いたことが無い。加山雄三がブラックジャックのドラマの存在を知った時はひっくり返った(笑)。