ジオターゲティング
Thu, July 13, 2006 00:04:26

ハッピー探知アンテナ内蔵

テーマ:ともだち

(いま、あの人から電話だったでしょ)


ともだちが胸ポケットからささやいた。


(なに会社まででてきてんだよ)


(すごいね。大御所と何話したの?)


(取り次いだだけだよ。ていうかどっから湧いたんだよ)


(おしえてよ。緊張した?文学史に名を刻むような人でしょ?)


(緊張するよ。でも取り次いだだけだから。それよりもいいかげん怪しいからどこかに行って下さい)


僕は胸ポケットに向かって腹話術並みに口を動かさないようにして話した。


(どんな感じ?生トークだよ、生トーク。ちびった?)


(ちびんないよ!つーか、ちびるって、、)


僕は席を立って、廊下に出て、階段を駆け下りてビルの外にでて、ポケットから粘土の小人をつまみだして、鼻先へ持ってきた。


「すみません、今日は何がお望みですか?」


「あ、ほんとに感想ききたかっただけ。でも外出ると暑いね。お、遠くに女子ウケのよさそうなお茶スポットが見える!」


「なんだ、たかりにきたの。しかも下調べ済みかよ。いいよ、もう昼休みだし。どうせメニューもきまってるんだろ?」


「お話が早いですねー。初夏摘みの北インド産が入ったらしいよ」


「そのエセ紅茶通ぶり、わかりませんから。」


「ノリ悪いな~」




でもちょっと嬉しかった。憧れの作家と取次ぎと言えど生トーク。
誰かになんでもいいから聞いてもらいたいタイミングだった。
このちっちゃい生き物おそるべし。



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Sun, July 09, 2006 21:40:48

絶望のほとり

テーマ:ともだち

絶望のあたり、

絶望のそば、

絶望の端、

絶望の水際、

絶望のきわ、

絶望のほとり。


「どこまでが『ほとり』なのかは誰かの感じ方によって違うと思うけど、誰も絶望の『ほとり』から逃れられた訳ではなくて、忘れているか、遠く離れたところにいるだけなんだ」



ともだちは言った。



「いつかたどり着く絶望の『ほとり』を考える事があってもいいかもしれない。そしてそれは他人が既に記録している事かも知れない」


「そしてその後、始めて、『ほとり』の事を忘れていられたり、『ほとり』から遠くはなれていられることの有り難さを知る事になるんだろう」



ともだちは姿無く言った。


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Tue, June 06, 2006 22:41:52

別れたら?ワカメ足ら(ない)?

テーマ:ともだち

ともだちが私の話をさえぎって無理にまとめようとした。


「つまり、君と彼がごはんをたべたり、遊びに行ったり映画をみたり、ドライブしたりすることは彼の可能性を閉じ込めているというの?」


「だいたいそう」
私はともだちのちいさな白い頭みたいなところをデコピンした。


ともだちはデコピンの勢いで後ろに三回くらいでんぐりがえしをして頭を押さえながら起き上がった。


「一時間もしゃべったのに短くまとめすぎて怒ったの?でも可能性のある人の可能性はそんなことで閉じ込められたりしないと思うよ。可能性のある人の可能性はその人の食欲や眠気など関係なしに行動力が生まれたり、場所や時間やいろんな壁をぶち破ってでも爆発するんじゃないかなー」


「そんな何百万人に一人みたいな天才じゃなくて、なにか後押ししたら花開くようなそんな位のレベルだけど。それを私といることで邪魔してるような、可能性の芽を摘んでいるような。まあ、そんなことは実際に言われたこと無いけど」


「はぁ。いっしょに居たいのに邪魔したくないかー。じゃあ、別れたら」


「そうできないから相談してるんじゃん。しかも『相談ごとない?』っていうから強引に相談させられてるだけなのに、それを別れろとは。もう紅茶あげない」


「えー!!別れろなんて言ってないよぉ。ワカメ足らないって言ったんだよぉ。ニルギリのアイスティーちょうだいよぉ。」


「ワカメ足らないって、、、。トボけ過ぎ、無理矢理過ぎ。」


ともだちがシュンとうつむいてしまった。


「うそうそ。いいよ。紅茶あげる。」


私は小さなグラスに小さく砕いた氷を一欠片いれて紅茶を注いだ。




まあ、いいか。
こいつの言うようにそんな可能性のある人ならどんな環境でもその芽は伸びるだろうし、私程度に溺れるのならたいしたことない人なのかも。


でも、こんなことでも誰かに話すことで気持ちが変化するとは。
私が単純なのか、人類の仕様なのか。



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Tue, April 18, 2006 22:08:19

ガムシロ20パー。

テーマ:ともだち

「しばらくの間、ある目標に向かってがんばっていました」


「うん」


「実はそれがほぼ達成できて、ちょっと間、のんびりしてました。新しい環境の中で」


「うん」


「でもさー」


「でも?」


「のんびりの気持ちが一ヶ月持たなかったんだよね」


「なんで?目標達成できたんでしょ」


「つまり。本当の目標を達成するための目標だったっていうかさ」


「そうなの?」


「そう」


「じゃあ、また毎日焦り始めるんだね」


「いや、今度は具体的なアプローチが始まるからもっと楽しめると思うよ。なんかがつがつやんないっていうか」


「ふうん」


ともだちはなんだか機嫌がいいようだった。


机の上にうつぶせに頬杖をついて、膝から下をばたばたさせたりゆらゆらさせたりしている。





「アイスティーのむ?」


「もうアイスもおいしい季節だよねー」


待ち構えていたように返事がきた。


僕は友達にアイスティーを入れてあげる。


ガムシロ20%で。



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Sat, February 18, 2006 17:49:28

天は自ら助くる者を、

テーマ:ともだち

あのちいさなともだちが僕の所に来なくなったのはいつからだろうか。


もう悩みも自分で解決できるし、楽しかったことも誰かに話せる。


だけど。


自分の生き方や選択に不安を覚えたとき、その時は現れてほしい。


自分の鏡のような。


未来を指し示すような。


いや。


自分の心を耳を通じて言ってもらえるだけでどれだけ勇気づけられることか。


少年期の熱にうなされた夢だったのだろうか。


だったら、



自分の声が聞きたい。

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Thu, December 01, 2005 00:02:38

紅茶のお礼

テーマ:ともだち

「今日はこのくらいでいいかな」
僕はとりあえず机の上の数学っぽい物を全部横に追いやって紅茶を淹れた。


「そして、、、ぶどうパンでーす」
一口かじって紅茶を飲んだ。


「最高、且つ女子には言えない趣味だな」


僕はパンの続きをかじりながら寝る前に少しずつ読んでいるSFに目をやった。


すると文庫本の表紙の一部がぽこりと盛り上がり、見覚えのある形が見えてきた。


とびら


「紅茶飲んでるでしょ。内緒で」
ともだちがちょっと怒り気味で聞いてきた。


「ごめん。今日は来ないと思ったからさ。」
僕はともだちの分の紅茶とぶどうパンを少しちぎってあげた。


「ありがと。ねえ。これSF?しかも本好きの中高生の誰もが通る古典?」
ともだちは文庫本の上で飛び跳ねて聞いてきた。


「そうだよ。中高年も読むかもしれない古典だよ。」


「ふーん。紅茶くれたから僕の作ったSF聞かせてあげる」


「いつもながら一方的な。でも勉強終わったからいいよ。どうぞ」
僕は紅茶を足しながら期待しないで聞き始めた。


「時代は惑星間光速航行が一般的になった頃のお話です。


『ある男が史跡調査のため光速航行船で、ある宙域に向かうことになりました。


ところが男には妻と娘がおり光速航行帰還後には10年の年齢ギャップができてしまうことがわかりました。
仕事をあきらめるか帰還後の年齢差をあきらめるか。


光速航行はその時間との対価の為、かなりの高額報酬が約束され、一度その仕事を引き受けると3人家族くらいなら一生楽に暮らせるほどの大金が手に入るのでした。


家族の生活は男の仕事がボランティアに近い史跡調査の仕事であったので大変貧しいものでした。


それが偶然にも得意の史跡調査で光速航行の仕事が舞い込んで来たのです。


しばらく考えるうちに男に在る考えが浮かびました。


「このチャンスを逃すわけにはいかない。加齢整形剤を使うか、、、、」


加齢整形剤とは童顔に悩む人や人生の早い段階で成熟した肉体を手に入れたい人に対して行われている美容整形の経口薬品でした。


地球時間で数年単位の光速航行をする人が帰還後、家族との見た目の違和感を避けるために稀に使われることがありました。


こうして加齢整形剤を星船に持ち込み、家族と別れを告げ、男は史跡調査へ向かいました。


順調に調査は進み一定の成果が得られた男は加齢整形剤を飲みました。


男の体に痛みはなく、すぐに髪に白髪が混じり、顔に皺が刻まれました。
「体が硬くなったかな、、」


男はこうして帰還しました。
男にとっての数日間の間に、10歳の年を重ねた妻と成人して美しくなったであろう娘を想像して。




帰還後、10年の歳をとった男を出迎えてくれた家族は意外にも光速航行前と変わらぬ若い妻と幼い娘でした。



「お前たち、なぜ歳をとらないんだ?」


「あなたこそ、どうして歳をとっているの?」


男は家族を思い、内緒で歳を重ねました。


家族は男を思い、歳をとらないように同じ期間、借金をして光速航行の旅客機に乗り込んだのでした。


家族はお互いの思いに宇宙への入り口で泣き崩れました。』


っていうお話です。どう?」


僕はすかさず
「賢者の贈り物?」
と聞いた。


「未来の実話だよ」
ともだちは自慢げに言い放った。


僕は『夏への扉』を手にとってベッドに仰向けになった。


「ねえ、感想は?」


ともだちが耳をひっぱりながらせがんできた。


「、、うん?ちょっとまって、あと150ページ読んでから、、」


「ねえ、感想は?」


今日のともだちは結構しつこかった。

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Sun, November 27, 2005 18:20:55

それを美しいと思うこと

テーマ:ともだち

私はちいさなともだちが次に来た時に聞いてみたいことができた。


『落ちている虫食ったぼろぼろの枯葉を美しいと思う?』


行楽地の色づいた山々や公園の長い銀杏並木を美しいと思ったことはあった。


でも形を留めていることもおぼつかない一枚の枯葉をみて美しいと心から思ったのは今年が初めてだった。


何を美しいとしたのか。


安っぽく言ってしまうなら枯葉の中にかつて宿っていた生命力を見出したのか。


思い当たらない。


自然の乱雑で精密な創造に見入ったのか。


違う。


あのちいさなともだちは何と言うだろう。


私が枯葉の中に存在の火をみつけたことを。


枯葉のなかに

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Sat, November 05, 2005 20:51:18

止まない雨も、回らない地球も。無い。

テーマ:ともだち

私は落ち込んでいた。


落ち込んでいると最近、変な生き物がやってくる。


気持ちがマイナスの時に限って、そのちいさな生き物の「ともだち」(仮称)はやってきて、勝手にしゃべって、さらに私を突き落とす。


今日も来るなり、


『平等について考えたんだけど。


雨雲は誰の頭の上でもくるけど、その後の太陽もみんなに顔をだす。


嘘をつく人にも、まっすぐな人にも。

人目を盗んで怠けるひとにも、がんばる人にも。

食べられない人にも、恵む人にも。

一生懸命なのに嫌われる人にも、適当なのに好かれる人にも。

誰かを亡きものにした人にも、誰かを亡くした人にも。

優位を誇示し圧倒する人にも、努力なしに萎縮する人にも。


誰にでも、どの瞬間からも、平等に陽は注ぐし、時間はめぐり来る。


それは不公平だと思う?

人の不幸の上に立つ誤った幸福感に罰は与えられないかと思う?


間違ってるかもしれないけど、


その人が、陽の光に気がつかず、わずかな思慮の時を与えられていることがわからなければ、もうそれは与えられていると思うよ』


と、一方的に話して行ってしまった。


なんか間違ってると思ってるところだけ当たってる気がするけど。


私は「ともだち」が去った窓から注ぐ夕暮れの光を見つめていた。


ずっと外を見ていたら、地球は正しく回っているらしく夜になった。


夜になると遠くの観覧車が輝き始める。


私が落ち込んでいるのにも関係なく地球も観覧車も回る。


ひかり



私は私に注ぐ夕陽に気がつき、考え判断する時間を得たことに自分が在る側を意識した。


それで立ち直れるかはわからないけど。

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Sun, October 30, 2005 18:51:14

やってみて

テーマ:ともだち

そのひとに文字を書いてもらって


じっと見たり


その上に寝転んだりすると


えくに



なんだか、しみこむよ。


明日やってみて。


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Sun, October 30, 2005 18:49:13

あのね

テーマ:ともだち

あのね、


こわいときってあるでしょ?


そのときは


こわい



隠れればいいよ。


そしたら、いなくなるから。


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