米国の中産階級 40年ぶりに最低レベルまで減少


米国の中産階級が、40年ぶりに米国の人口の半分にまで減少し、かろうじて貧困層と富裕層の人口を上回っている。

米国でこのような人口比率が最後に記録されたのは1970年代初期。フィナンシャルタイムズ紙が、ピュー・リサーチ・センターの情報として報じた。

現在、米国社会の核をなしているのは成人で、その割合はおよそ50パーセントだが、1960年代末の成人人口の割合は61パーセントだった。

ピュー・リサーチ・センターによると、平均所得を上回る米国人の数が急速に増えていることと、貧困層が増加していることが要因となっている。

フィナンシャルタイムズ紙によると、中産階級は米国の戦後の成功の基盤だったが、現在は中産階級への「浸食」傾向がみられているという。

2008年から、平均所得を上回る米国の成人の人口が780万人増え、貧困層の人口も680万人増加したが、中産階級の人口はわずか300万人の増加だった。

調査によると、米国社会における所得階層の分化の主な要因は、高等教育を受けた高い専門性を持つ専門家の評価が高まったこと。大学卒業生が高収入を得る可能性は、最終学歴が高卒の人の8倍となっている。