標準治療と代替医療のお話 | よろずクリニックのブログ

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面白い医療ネタ、ためになりそうな情報を発信していこうと思います。

最近よく代替医療が大好きな方々に「手術をしたら殺される」「放射線治療や抗がん剤治療はがんが酷くなる」といった主張をブログやSNSでされるのを目にします。
当院でも代替医療を扱っている手前、同様の考えかと申しますと全く違います。
情報を発信するにはソースが重要だと思いますのでまずはこちらの記事です。

こちらは第2回日本先制臨床医学会にて大会長をさせて頂いた時のスライドに使ったものですが、アメリカで標準治療を行わずに代替医療のみを行った281例の検討です。患者は転移を伴わない乳がん、前立腺がん、肺がん、大腸がんのいずれかの疾患で、ステージ0-1の方々。
グラフの示すように圧倒的に標準治療をした方が生存率が高いのです。
さてそれでは代替医療➕標準治療と標準治療のみとの比較ではいかがでしょう。

これは意外な結果でした。

 

通常併用群では良い結果がでると予想してみたのですが、なんと代替医療➕標準治療の併用群の方が生存率が低いのです。

その原因は記述のように代替医療併用群の患者は推奨された手術や抗がん剤、放射線治療をかなりの割合で拒否されているのです。

以上の論文から生存率を上げたければ標準治療を信じてまずはトライしてみること一択だと思います。

その上で、自分でできる食事療法などのセルフケアや副作用軽減、ミトコンドリア機能回復、NfΚβ抑制、免疫機能増強を狙った水素吸入治療、複合ハーブによる解糖系ブロック、がん抑制遺伝子治療、自家がんワクチン療法、コロイドヨードなどを組み合わせて最高の治療成績を出すことが大切だと考えています。民間療法では還元陶板浴やRn222を用いたホルミシス療法などもかなりお勧めです。

そして代替医療を一切受け入れない、よくある日本の保険適用主義の医師の意見もあります。

これには以下の理由で反論します。

まずエビデンスレベルには大きく1〜6までありますが、レベル1すなわち保険適用をとるには500-1000億円の費用がかかると言われております。これだけの費用をかけて適応をとるというのは巨大製薬メーカーでも大変なことでしょう。

しかし筑波大のベンチャー、セルメディシンの大野忠夫先生が開発されたような自家がんワクチンは肝臓がんに対してはエビデンスレベル1bまであります。

こちらの治療も保険適用ではありませんが、肝がん再発抑制にはこれ以上の治療はないと考えています。

また先日脳腫瘍(膠芽腫)の術後残存腫瘍の治療相談に来院された患者さんへ自家がんワクチンを推奨しました。これは残存腫瘍を自家がんワクチン投与後24ヶ月後に完全寛解のケースレポートなどがあったためです。

この方は脳外科では国内トップレベルと言われる東京女子医大脳外科へもセカンドオピニオンに行きましたが、そこでまず第一に推奨された治療法が当院と同じ自家がんワクチン療法です。

さらに先週の事ですが、下咽頭がんステージ4の方が治療相談に来院されました。

この方は全米トップレベルのメモリアルスローンケタリングがんセンター(MSKCC)へセカンドオピニオンに行ってこられていますが、その中での治療法の選択肢に標準治療の他になんとIOdine療法が含まれてるのです。

以下が患者さんから頂いたMSKCCからの文書です。

ただしこのIOdine Therapyは有機ヨード療法というよりアイソトープ治療の可能性が高いと思います。

 

小生は保険適用=標準治療=科学的根拠=EBMに基づいた治療ではないと考えています。

初代厚生労働大臣坂口力先生によるEBM(根拠に基ずく医療)の解説をご覧ください。

https://youtu.be/Ypqspd2DLps

 

やみくもに標準治療を否定すれば生存率は下がりますし、やみくもに日本の保険適用だけをするなら患者さんへ希望のある治療をお届けできなくなります。

これからも常に模索しながらベストな統合腫瘍治療を目指していきたいと思います。