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「総量一定の法則」

重粘土質で、剣先スコップも入らない土でも、なんとかなるもので、この土も、固く締まるタイプの土で、一見畑にするのは難しそうな土だったけど、案外ちゃんと育った。山口県宇部。

管理も大事だから、もちろんやってはいるんだけど、無肥料栽培って、野菜が勝手に自分で管理始めるんだよね(笑)。

例えば、葉が黄化していくと、普通は窒素不足だカルシウム不足だ、病気だ虫だと大騒ぎになるけど、落ち着いて観察すると、無駄な葉っぱを落として身を守ってるだけの事も多い。

ウリ科の小蔓を切らなかったとか、ナス科の脇芽を取らなかったとか、摘芯しなかったら、野菜は勝手に要らない小蔓や脇芽の成長を止める。

間引きしなかったら、全体に成長が悪くなり実が小さくなるけど、小さい実を集めると、大きな実一つ分ぐらいになる(笑)。

いや、もちろんプロとして出荷するレベルにするには、それじゃダメなんだけど、植物としては、その地力に合った総量というのはちゃんと認識してて、どんな形であっても、そこまでは実を付け、それ以上はどうやっても付けない。それが無肥料栽培。

つまり総量一定の法則というのがあり、放ったらかしでも出来るって事な訳で、あとは人がそれをどう食べるかという話だけ。

で、出荷して外貨を稼ぐには、見た目も大事だし、味も大事なので、ちょっとした工夫をしていく。

それが、耕運する、有機物を入れる、草を刈る、敷き藁をする、整枝をする、脇芽を整理する、誘引をするなどのちょっとした管理作業。

どれも、その畑の総量の形を、理想に近づける作業であり、収量を増やすことではない。葉に行く栄養、小さな実に分散される栄誉を、一つに集める事と、虫や糸状菌によって土に戻される実に歯止めをかける事な訳だ。

欲張るのではなく、その土の総量を見極める。硬かろうか荒れていようが、総量を見極められれば、先に書いた管理作業だけで、野菜は育って行くんだよね。

だから、どんな土でも、諦める必要はない。とりあえず栽培してみる。それで見えてくるものってあると思う。

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