管理職日本語教師の、相当深~いつぶやき。

私たちの可能性は、こんなもんじゃない。


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日本語学校の経営って儲かるんでしょうか。

 

最近日本語学校を新規に設立したいって言うご相談をよく受けます。

しかも増えてます。

儲かると思ってるんでしょうね、日本語学校を作りたいと思っている人は。

 
これは、どの学校の経営者も言っている、業界の周知の事実ですが。
 
日本語学校が単体で利益を出すには、学生数200人がぎりぎり。それを下回ったら赤。
 
親会社や同じ系列の学校法人グループからの補助がある。
または日本語学校内で、学生からの学費のほかに、養成講座やテキストの出版事業の収益がある。
こういった学校でなくて、学生からの学費だけで経営している学校は、学生数200人で何とかぎりぎり黒字。らしいです。
 
ぎりぎりというのは、最低限のことはできるという意味で、
細かくコース分けしてクラス数をふやしたり、
1クラス15人を下回るクラスを作ったりなんてことは、学生数が200人いても経営を圧迫するからできない。少なくとも経営者はやりたがらない。
そして先生方にボーナスとか昇給とか、積極的に待遇を手厚くして教育の質をよくしよう、なんてことは二の次。
下手したら教員からやりがい搾取して、手当、昇給などは一切なし状態で、ブラックまっしぐらで赤字を免れている状態のところも多いです。
 
私なんか、前任校でいっそがしいときに経営者の部屋に呼び出されて、「トイレットペーパーはASK●じゃなくて、もっと安いところを探して買え。」とかっていう話を、毎週2時間ぐらい軟禁されて言われてたことありますもん。
でもその学校、私が辞めた後学生数を増やして今や500人以上のマンモス校に。
後任の教務主任に聞いたけど、今ではトイレットペーパーはもちろん、お金のことでうるさいことは何にも言わなくなっったって。
そういうもんです。
 
金ない日本語学校は、もう勘弁!
 
ぎりぎりじゃなくて、
ブラックじゃなくて、
残業手当も出て、
昇給も期待出来て、
クラスも初級とか中級とかのレベルをごっちゃにして20人ぎゅうぎゅうに詰め込まなくてもいい、
私たち現場の教師が想定する「普通の経営状態」を保つには、
 
やはり学生数は300人以上は必要!・・・という、これは業界の都市伝説のように語られていますが、あながち根も葉もないことではなさそうです。
 
でも新規設立する学校のスタートは、100人でスタートすることがルール。
いくら500人、1000人入るビルを所有していても、
500人、1000人の入学希望者がいても、
スタートは100人。
 
また、入学も年2回。4月と10月だけ。
多くの日本語学校のように年4回、4月、7月、10月、1月に入学させられるのは、1年半後に1回目の増員申請が通ってからです。
 
そう!増員申請!
日本語学校単体の経営を安定させたければ、開校しても諸々の条件をクリアして、何年もかけて増員申請を繰り返して、学生数を増やしていかなければなりません。
 
大変なんですよ。
すぐにひょいひょい200人に増やせるわけではありません。
 
では、日本語学校を新規設立したいどこかの方が、申請書類を提出してから、許可が下り、定員100人で開校し、その日本語学校の学生数が200人を超えるのは、最短でいつなのか。
 
分かりやすく実際の時間に当てはめて、シュミレーションしてみましょう。
 
例えば・・・。
2018年3月末までに、ビルを購入し、内装工事をし、中の設備(机、いすなど)をすべて購入し、人材を集め、辞典ぐらいの厚さの膨大な書類を作成し(または行政書士に作成させ)、入国管理局に申請をする。
 
2018年4月 設立準備開始。だれもいない建物に常駐する人員を雇わなくてはならないので、人件費が発生し始める。
 
2018年6月 入管による立ち入り検査。入管から職員が来て、中身の設備、教室、表示、すべての写真を撮りに来る。
 
2018年8~9月 立ち入り検査に合格したら、文科省によるヒアリングが行われる。設置責任者と教務の責任者が呼ばれて、文科省から楽しい尋問を2時間受ける(検査官は2人。一人は役人で大したことは質問しないが、もう一人は業界のプロ。どっかで見たことあるような人。この方からの質問が専門的で、的を得ていて気持ちよく、なかなかしびれる。このヒアリングで半分以上は落とされるのだから油断できない。)
 
2018年10月~11月ぐらい 入管から直接、電話でいきなり「官報告示相当と認定されました。」と言われ、なんのことかわからずびっくりする。(つまり、開校の許可がおりました。)ということ。
 
一言解説。
設立準備期間中の11月に告示相当の電話連絡が入管から来て、それから学生の募集活動しても、4月入学にはビザが間に会いません。
4月生の募集活動は、遅くても8月には始めなくてはならないからです。
つまり日本語学校新規設立準備を開始して、1年後の4月に学生を入学させたい学校は、半年前倒しで申請するとか、学校開校の許可が下りることを信じて、まだ許可が下りていない8月にルール違反を承知で極秘に現地へ飛んで、募集活動を開始するとかなどの、裏の手が必要です。
念のため。
 
2018年11月 4月生のビザ申請締め切りの期限。
 
2019年2月下旬 ビザの許可が下りる。
 
2019年4月 晴れて第1回入学式。定員の5割ぐらい(つまり50人)入学出来れば大成功。
 
2019年10月 第2回入学式。
*1年半コースは日本の高等教育機関への受験に不利なので、現場としては10月生はあまり増やしてほしくないが経営者としてはエージェントさんとのつながりを作るうえでも10数人は入学させたいらしい。
**それと短期生、4月生の落ちこぼれでやっと16~17人の学生が集まり、なんとか1クラス分の人数をを確保。ここで1クラス10人以下は赤字のタネを増やすだけ。貧乏経営者としてはありえない。
 
2020年4月 第3回入学式。残り4割が入学して定員いっぱい(100人)になれば大成功。
       もし定員が埋まらなければ、次の10月にそれを埋める人数を申請すればOK。
 
2020年10月 開校して初年度の1年間に、不法滞在者が在籍人数の3%以下であること、在籍数が定員の8割を満たしていること、増員した人数が収容できる教室数があること、などの条件をクリアしたら、優良校と認定され、増員申請が許可される。尚、増員は現定員の半数までとする。
*ここで増員後の人数が収容できる建物を持っていなかったら、150人以上収容できる新しいビルを購入しなければならない。また専任講師の数も、申請前に既定の人数まで増やさなければならない。
 
2021年4月ごろまでに 増員申請が許可され、150人定員となる。今後はこの人数までの学生募集活動を許可されることになる。
 
2022年4月ごろまでに、学生数が150人になれば大成功。
 そして学生の在籍数が、定員150人の8割(120人)に達して入れば、定員の半数の増員が申請できる。(つまり225名になるための申請)。
*ただしここでも、その人数を収める建物、設備がなければ、まずそれらを購入してからでないと増員申請できないし、専任講師の数も申請前に増やさなければならない。
 
2023年4月 学生数が200名を超えれば大成功。 
 
こうなります。
(私はうちのスタッフがやっていたことを横で手伝った程度で、専門ではないので、言葉が多少違っていたり、足りなかったらすみません。)
 
もちろんこれは一番うまくいったときの「とらぬ狸の皮算用」で、こんなにうまくいくとは限りません。
巨額の先行投資をしても、単体で黒字を出すのに4~5年以上はかかる。
 
これでも日本語学校、作りたいですか?
 
結論!
親会社もない、留学生事業しかやっていない、単体で経営をしている日本語学校は、学生数が200人以上学生がいないと、たいていは儲かっていないはず。
だから、こういう学校は学校に金がないから、教師の待遇もよくならないのでは?と疑ってかかってみるべし。
(なかには私のわからないマジックを使って、うまくやっておられる学校もあるかもしれませんが。)
 
でも、学生の人数だけガンガン増えても、教師の待遇は一向によくならない学校もあります。
学生の人数が増えても、その人数に合わせて経験値の低い教師ばかり増やすことになり、教育の質が薄まっていくだけの学校もあります。
(って本当はこっちの方が大問題なんだけどね。)
これはまた別の機会にとりあげることにしましょう。
 
ところであなたの学校、儲けた金を教師や学生に還元してますか?
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