抗がん漢方に主に使用される薬草を紹介
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大棗(たいそう)
「百薬に和す」といわれるほど処方される生薬
大棗は、クロウメモドキ科ナツメの果実から精製された生薬で、種子は酸棗仁という生薬になります。韓国では薬膳料理として、日本でも知られているサムゲタンの材料に使われるほか、砂糖、蜂蜜と煮たもののデジュ茶(ナツメ茶)として飲用されています。
●成分と薬理作用・効能
成分はサポニン、トリテルペノイド、糖類、サイクリックAMPを含んでいます。薬理作用として、抗アレルギー、抗消化性潰瘍、抗ストレス作用などがあげられます。
臨床応用としては、滋養、強壮、鎮静、補血薬として、また筋肉の急迫、牽引痛、知覚過敏の緩和、鎮咳、身体の痙痛、腹痛、胃腸機能の調整に用いられています。
また利尿作用もあり、婦人病のなかでも更年期障害の改善に役立つ生薬です。
大棗は「百薬に和す」といわれるほど漢方薬の処方として、異なる生薬の成分の薬理作用をやわらげます。特に作用の強い生薬に配合、処方することで、消化機能に対する刺激を少なくする作用があり、また味を調整することから、多くの処方に配合される生薬です。
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当帰(とうき)
当帰芍薬散は婦人病の妙薬として古くから有名
当帰は、セリ科トウキの根から精製された生薬です。中国産ではカラトウキの根からつくられます。全草にはセロリに似た強い芳香をもっています。古くから婦人病の妙薬として、多くの漢方処方に用いられている重要な生薬の一つです。
●成分と薬理作用・効能
成分は精油を含有しており、その構成成分はリグスチリド、n-ブチリデンフタリドなどです。またクマリン誘導体としてベルガプテン、スコポレチン、ウンベリフェロンなど、ポリアセチレン化合物としてファルカリーノ、ファルカリンジオール、ファルカリノロンなどを含んでいます。
薬理作用は鎮痛、抗炎症、解熱、血圧降下、眼圧降下、抗アレルギーなどの作用があります。臨床応用としては駆瘀血、強壮、鎮静、鎮痛薬として、貧血症、腹痛、身体疼痛、月経不順、月経困難、月経痛、血行障害のほか、更年期障害にも応用されます。
当帰の処方として有名な漢方薬の当帰芍薬散は、古くから婦人病の妙薬として古典医学書『金匱要略』にも記載されています。
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半夏(はんげ)
吐き気止めの妙薬として小半夏湯に処方
半夏は、サトイモ科カラスビシャクの根茎を精製した生薬です。根茎の玉が白く、色の白いものが上品とされ、なかでも中国、四川省産が最大産出量で品質も良好とされています。カラスビシャクは日本に多くの野生品種がありますが、生薬となるのはほとんどが中国産です。カラスビシャクの花がサジのような型(シャク)ようなところから名が付けられました。
●成分と薬理作用・効能
成分はフェノール類のホモゲンチシン酸、ホモゲンチシン酸配糖体など、アルカロイドのエフェドリン、それにアミノ酸、糖類、デンプンなどが含まれています。
薬理作用としては、制吐、唾液分泌、鎮咳、胃潰瘍抑制、抗炎症作用などがあります。
臨床応用としては、鎮嘔、鎮吐、鎮静、去痰薬として用いられています。とくに胃内停水がある嘔吐、心悸、目眩、頭痛、急性胃カタル、咽喉腫瘍、不眠症などに用いられます。また去痰薬として慢性気管支炎、気管支拡張に用いられます。古くから半夏は吐き気止めの妙薬で、生姜を加えて飲みやすくした漢方薬の小半夏湯が有名で、つわりにも用いられます。
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