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去年の春、私は思い切って家の中のものを半分以下に減らしました。きっかけは、探し物に費やす時間が一日平均30分にも達していたことでした。仕事に家事に追われる毎日で、この無駄な時間がどうしても許せなくなったのです。
「ものを減らせばお金が貯まる」というのは、多くの人が知っている事実です。実際、私も無駄遣いが減り、貯蓄額は確実に増えました。しかし、ものを減らすことで得られたものは、それだけではありませんでした。ここでは、私が実際に体験した、意外すぎる3つの変化についてお話しします。
【1】決断力が驚くほど上がった
ものを減らす過程では、毎日「これは必要か、不要か」という判断を繰り返します。最初は一つ一つ悩んでいましたが、次第に判断のスピードが上がっていきました。
不要なものを処分する際に「いる・いらない」の判断を繰り返すことで、瞬時に意思決定する能力が鍛えられます。この能力は、仕事における重要な判断場面でも役立つようになったのです。
会議での発言、プロジェクトの優先順位付け、さらには人間関係においても、迷う時間が大幅に減りました。「これは要る」「これは要らない」と繰り返し判断を下す訓練は、決断力を養い、仕事における迅速で的確な意思決定に直結します。
部下から「最近、決断が早くなりましたね」と言われたとき、これはものを減らした副産物だと確信しました。毎日の小さな決断の積み重ねが、人生の大きな決断を支える力になっていたのです。
【2】本当にやりたいことが見えてきた
部屋が片付くと、驚くほど時間が生まれました。ものが少ないと、部屋を片づけたり、ものを探したりする時間が短縮でき、自由な時間が増えます。掃除にかかる時間は週3時間から1時間へ、探し物の時間はほぼゼロになりました。
しかし、本当に変わったのは時間の量ではなく、心の余裕でした。ものの支配から解放されて自分の時間ができることで、自分のやりたいことが見えるようになってきます。
以前は「忙しい」が口癖でしたが、実際にはものの管理に追われていただけでした。ものが減ったことで、本当にやりたかったことに気づいたのです。私の場合、それは語学学習でした。
10年以上「いつかやりたい」と思っていた英会話を、ついに始めることができました。週末に通うオンラインレッスンは、今では私の生活に欠かせない楽しみになっています。
【3】人間関係が驚くほど良好になった
これが最も予想外の変化でした。部屋が整頓されてすっきりした状態は、イライラした気持ちが落ち着き心に余裕ができるので、ストレス減少につながります。
心に余裕ができると、人への接し方が変わります。夫との些細なすれ違いで喧嘩することが減り、子どもの話を焦らず最後まで聞けるようになりました。職場でも、同僚の相談に親身に乗れるようになり、「話しやすくなった」と言われることが増えました。
ものに執着する心や依存心が減ることで、人間関係を健全に整理できます。他人に対する過度な期待や要求を減らすことで、より自立し、自己主張もしやすくなります。
さらに驚いたのは、自然と価値観の合う人が周りに集まってきたことです。無理に関係を維持していた人とは距離を置き、本当に大切にしたい人との時間が増えました。
ものを減らすことで見えてくる本当の豊かさ
ものを減らすことは我慢ではなく、自分にとって大切なものを見極める力を育てることです。私がものを減らして気づいたのは、「少ない」ことは「貧しい」ことではないということでした。
むしろ、本当に必要なものだけに囲まれた生活は、驚くほど豊かです。自分の生活を満たすお気に入りたちを大切にしたいと思えるようになります。一つ一つのものに愛着が湧き、丁寧に扱うようになりました。
もちろん、ものを減らすペースや程度は人それぞれです。現代のストレス社会で生き抜くための対応策として、ものが少なければ、掃除や整理整頓にかかる時間と労力を削減でき、心のゆとりにもつながります。
最初は小さなスペースから始めることをお勧めします。バッグや財布などの小物から始め、中身をチェックしてみると、意外とたくさんの不用品が入っていることに気がつきます。
ものを減らすことは、単なる片付けではありません。それは、自分の人生において何が本当に大切なのかを見つめ直す機会なのです。
お金が貯まる、部屋がきれいになる。それも確かに大きなメリットです。でも、もっと深いところで人生が変わっていく。その変化こそが、ものを減らすことの本当の価値だと、私は実感しています。
あなたも、まずは一つの引き出しから始めてみませんか。そこから、予想もしなかった素敵な変化が始まるかもしれません。
※この記事は筆者の実体験と複数の専門家の見解を参考に執筆しています。効果には個人差があります。
