社労士として独立してすぐの頃、ある会社の社長からこんな相談を受けました。
「辞めた社員から“未払い残業代を払え”って言われたんだけど、どうしたらいい?」
よくあるトラブルのように思えますが、当時の僕にはすごく衝撃的だったんです。(しかも、1年目の僕にしては、重すぎる案件…)
その会社、
・就業規則なし
・残業申請の仕組みもなし
・タイムカードもナシ …
社長は言いました。
「ウチは小さい会社だし、口頭で管理してるから大丈夫だと思ってた」
「むしろ、会社を辞めたあとにこんな請求してくるなんて…筋が通らないよね?」
気持ちはよくわかります。
でもそのとき僕は、はっきりこう思いました。
“これはトラブルじゃない。知識の差だ”と。
社長が悪いわけじゃない。(いや、悪いかも…)
でも「知らなかった」だけで、リスクはこんなにも大きくなるんです。
僕はその時、社労士として初めてゾクッとしたんですよね。
“知らなかった側が損をする”のが、労務のリアルなんだって。
もちろん、今はこの会社にも就業規則があり、勤怠も記録できるようになっています。
でも僕が印象に残ってるのは、制度を作ったことよりも、
社長が最後に言ってくれたひと言。
「もっと早く、こういう話を聞いておけばよかったね」
労務の話って、知らないと“気づけないリスク”が多いんだなと改めて感じました。
ちゃんとしている会社だけじゃなく、“知らなかった会社”ほど知ってほしいこと、たくさんあります。
もし「これってちょっと不安かも?」と思うことがあれば、気軽に聞いてもらえたらうれしいです。
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