通勤しなくていい。好きな服で、好きな時間に、家で仕事ができる。
そんな自由なスタイルが魅力の在宅ワーク。
でも、続けているうちに「なんだか疲れるな」「以前よりも集中できない」「一日が終わった感じがしない」
——そんな感覚を抱いたことはありませんか?
便利なはずの在宅ワークで、なぜ私たちは“じわじわとした疲れ”を感じてしまうのでしょうか。
今回は、その背景にある「気づきにくい負担」と、少しでもラクになるためのヒントをお伝えします。
「仕事とプライベートの境目がなくなる」って、意外としんどい
在宅ワークでよく聞く悩みのひとつが、「時間の切り替えがうまくできない」という声です。
通勤していた頃は、家を出たら「仕事モード」、家に帰れば「リラックスモード」と、自然にスイッチを切り替える時間がありました。でも、在宅ではその切り替えポイントがありません。
朝ごはんを食べたらそのままパソコンへ直行。
夜も「もう少しやっておこうかな…」と、気づけば21時過ぎ。
知らず知らずのうちに、心も体も「仕事モード」が続いてしまい、気持ちのオンオフが効かなくなるんですね。
そんな状態が続くと、集中力も途切れやすく、休んでいるつもりでも頭は働きっぱなし。
「ちゃんと休んだ気がしない」と感じる人が増えているのも、無理はないことなんです。
「誰にも見られていない」ことが、ちょっとしたプレッシャーに
在宅ワークでは、自分の頑張りが見えにくくなります。
会社では、「今日は朝から忙しそうだったね」とか、「あの書類ありがとう、助かったよ」なんて声をかけてもらえたかもしれません。
でも家では、それがまったくありません。
自分のペースで働けるのは良いことですが、その分「ちゃんとやってるって思われてるかな」「サボってるって思われたらどうしよう」と、不安がふくらむこともあります。
それが、必要以上に頑張ってしまったり、休憩を取りづらくなったり…と、知らず知らずのうちにプレッシャーを感じる原因にもなってしまうのです。
コミュニケーションが「ちょうどよくない」
Zoomやチャットでのやりとりは確かに便利。
だけど、ちょっとした雑談や、「今いい?」という気軽な確認がしづらくなったという声もよく聞きます。
逆に、チャットがどんどん来て、会議も増えて…「つながりすぎていて疲れる」という声もあります。
つまり、コミュニケーションの“ちょうどよさ”が取りにくいんですね。
人とのやりとりって、実は精神的な安心感にもつながるもの。
気をつかわなくて済む相手と少し話すだけで、気持ちがリセットできることもあります。
在宅ワークでは、それが足りなかったり、逆に過剰だったりと、ちょっとしたバランスの悪さが、ストレスにつながっているのかもしれません。
「働く環境」が整っていないと、体も気持ちもしんどくなる
在宅ワークは「オフィスではない場所で働く」ということ。
ソファの上や、リビングのテーブルでパソコンを広げている方も多いかもしれません。
でも、机の高さやイスの硬さが合っていなかったり、照明が暗かったりすると、姿勢が悪くなったり、肩こりや頭痛の原因になったりすることもあります。
また、家族の生活音や、子どもの声、家事とのバランス…。
「働く空間」として整っていない環境は、集中力や心の落ち着きにも影響してくるんですね。
少しずつでも、自分にとって快適な「働くスペース」をつくる工夫をしていくことが、在宅ワーク疲れを防ぐカギになります。
おわりに
在宅ワークが続く中で、「なんだか疲れる」と感じている人は、きっとあなただけではありません。
それはあなたが弱いからでも、サボっているからでもなく、働き方そのものが“これまでと違う負担”をもたらしているから。
だからこそ、在宅ワークには在宅ワークなりの「自分の整え方」が必要です。
時間の区切りをつける、気持ちをリセットする、小さなリフレッシュを取り入れる——それだけでも、少しずつ心と体がラクになっていきます。
働く場所が変わったら、働き方も見直してみる。
そんな柔軟さが、これからの“自分らしい働き方”をつくるヒントになるかもしれません。
