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みなさんこんばんは!

 

新首相就任から激動の日本政治ですが、2025年11月4日に高市首相は、外国人政策に関する関係閣僚会議を初めて開催する模様です。

 

他の政策同様に早期に大きな動きも予想されます。

 

今日は、ビザの更新・変更申請における、新たな不許可のパターンが出てくる動きがありますのでお伝えいたします。

 

一部内容が重複しますが、別の視点から書いたこちらの記事も後ほどご覧ください=勘違いミスにご注意!=2027年6月まで 外国人は国民健康保険料を未納滞納してもビザ許可される? | 東京 新宿 かかりつけの外国人ビザ専門の行政書士 ソフィア国際法務事務所

 

 

1,最初に結論から

 

ざっと言ってしまうと、今までであれば、税金や国民健康保険などの未納滞納ぐらいでは、ビザの更新申請や変更申請が不許可になることは、そこまで一般的ではありませんでした。

 

もちろん期限通りに払うのが当然なのですが、遅れても払えばよい、といったイメージで運用されていた部分も否定できません。

 

あっても年数がダウンされて(3年ビザが1年ビザで)許可になったり、

 

他の事情とあいまって不利に考慮されて不許可になることもありましたが、

 

単独の理由で、未納滞納だけで不許可になることはそこまでなかったように思われます。

 

しかし、日本政治や世論が右派(外国人に厳しい)になった2025年以降、税金や国民健康保険などの未納滞納があるだけで、更新申請や変更申請が不許可になる流れが出てきました。

 

永住者ビザの申請では、2019年以降あたりから、税金や国民健康保険や国民年金などの未納滞納があるだけで、不許可になることは多くなっていますが、

 

それが、その他のビザの更新申請や変更申請にまでおりてきた、という流れになります。

 

つまりは、総じて外国人政策の厳格化の流れから起きている現象といえるでしょう。

 

 

2,問題となる新聞記事

 

まずは、この記事をご覧ください=医療費滞納の外国人、中長期滞在者も再入国拒否へ 関係閣僚会議 - 日本経済新聞(2025年6月6日 10:32配信)

 

これは、石破首相の時代の話ですが、より右派(外国人に厳しい)である高市首相が、この流れをゆるめることは期待できず、

 

むしろやや厳しめになって引き続き推進されると考えた方が現実的かもしれません。

 

この記事の話題は、3つあります。以下は要約と私からの補足コメントです。

 

今日の話題は特に3番目の後半部分についてです。

 

①日本滞在時の医療費不払いの短期滞在(90日以下の)ビザ・観光ビザの外国人が、再び日本上陸しようとする場合に上陸拒否になる、これはすでに開始済。

 

→この問題は、本人だけでなくその親族にまで影響しえます、親族まで上陸拒否になる可能性もありますのでご注意ください。

 

②今後は、中長期在留(3か月超のビザ)の外国人の日本在留時の医療費の不払いや滞納について、同様に再入国(みなし再入国含む)を拒否していく見込み。

 

→これも新しい動きといえます。過去や直近にそのような不払い・滞納歴がある方は、対策せずに日本を出国することはリスクが高いため、事前にご相談ください。再入国拒否されるリスクが高くなっています。

 

③在留外国人の社会保険料(公的な医療保険や公的な年金保険など)の納付について、「(未納)滞納を防止するために必要な仕組みの構築を検討する(役所横断的な把握等)」としたうえで、

 

「所得税や住民税などに未納滞納があった場合、在留期間の更新を認めないなど厳格な審査を検討する。」

 

これについては以下に詳しくコメントしていきます。


(なお、その後、2025年11月4日のニュース報道により、この内容が高市首相に引き継がれて、実行されることがほぼ決定となりました。詳しくは以下にてご確認ください)。

 

 

3,税金や国民健康保険などの未納滞納がある場合の、ビザの更新申請や変更申請の不許可について

 

これを見た場合に感じると思われる疑問点についてざっと書いていきます。詳しくはご相談下さい。

 

ちなみに、ほかにも素行不良(トラブルや国民年金の未納滞納等)や日本長期不在などのマイナス事情ある場合には、

 

相乗効果で不許可リスクがより上昇していきます。一個一個につき丁寧な対応が必須になるでしょう。

 

①不許可になるのは更新申請だけでは?変更申請は書いてないよ?

 

確かにその通りですが、ビザの申請の格付けランキングからすれは、一番下位の更新申請で不許可になるということは、それよりも上位の申請=変更申請や認定申請、永住申請でも不許可になることを意味します。

 

簡単にイメージ図を書くと、ビザ申請の格付けランキングは、1位永住申請、2位認定申請や変更申請、3位更新申請になります。

 

本来は一番許可ハードルが低いのが更新申請なのです。より上位の変更申請でも不許可になるのが通常と考えられます。

 

②税金の未納滞納以外のトラブル(税務署からの処分や指摘や給料差し押さえ等)は大丈夫?

 

確かに書いてませんが、トラブルがあればNGとお考え下さい。内容によっては、よりダメージが大きいかもしれません。個人的には軽めのものであってもフォローして説明書や上申書をつけるべきと考えます。

 

③年金の未納滞納は不許可になる?

 

永住申請では絶対にNGで不許可になると思いますが、それ以外のビザの更新変更や変更申請では、やや微妙なところです。

 

税金と国民健康保険(これも国民健康保険税という税金)の未納滞納は絶対にNGですが、

 

国民年金や厚生年金については、よりリスクはやや低めかもしれませんが、今の日本政治や世論の右派化からすると予測が難しく、

 

やはりリスクは同じく高い(未納滞納は絶対にNG)と思って対策をするべきでしょう。

 

④この不許可は、あくまで「検討」では?まだ決まっていないから大丈夫なのでは?

 

確かに記事の通り「検討」ではありますが、この問題が提起されて否定されることは、

 

より右派の高市首相になった流れからして、まず考えにくく、提起された通りに運用されていくと考えるのが現実的かと思われます。

 

(追記)その後、2025年11月4日に、以下の報道がありました。

 

保険料未納対策、27年6月から 外国人、在留資格認めない仕組み(共同通信) - Yahoo!ニュース

 

記事の問題の部分は次の通りで、

 

「上野厚生労働相は4日の記者会見で、外国人の国民健康保険料の未納付を防ぐ対策を2027年6月から始める準備をしていると明らかにした。出入国在留管理庁と連携し、滞納者は原則として、在留資格の変更や更新を認めない仕組みを想定している。」

 

となっているため、ほぼ決定したものといえそうです。

 

なお、2027年6月までは、未納滞納が許されるわけではありません。

 

すでに何年も前から未納滞納を理由にした年数ダウン許可や不許可はされてきていますし、

 

今回の2025年10月の審査ガイドライン改正でも、不許可になる可能性があることは明言されていますので、

 

今の時点でも未納滞納を理由に不許可になる可能性は十分にありますのでご注意ください。

 

詳しくは以下をご覧ください。

 

⑤入管の更新変更申請の審査ガイドラインを読むと、例として、税金未納等で刑を受けた場合や、多額や長期間の未納滞納など悪質な事例をあげているので、

 

それ以外の悪質でない未納滞納は不許可にならないのではないか?

 

確かに、ガイドラインの7番の「納税義務等を履行していること」では、

 

「例として税金未納等で刑を受けた場合、刑を受けてなくとも多額や長期間の未納で悪質なものについて消極要素として考慮」とありますが、

 

これはあくまで「例」としか書いていません。「悪質な事例に限定する」とは書いていません。

 

そのため、そこまでいかない、悪質ではない未納滞納等の場合でも不許可はありうると考えるべきです。

 

厳密にいえば、1日の未納滞納でも、「納税義務等を履行していない」ことを否定できませんし、実際に永住申請では1日でもアウト不許可になっています。

 

もちろん、一番厳しいのは永住ビザの審査ですので、他のビザについては、もう少しだけゆるく判断される可能性もありえますが、あまり大きなゆるさは期待できないと思われます。

 

悪質でない軽めの不履行でもフォローした方がよいケースが増えるでしょう。

 

少なくとも、上記のガイドラインの例のような強めの違反ケースに限定されることはありません。入管が、世間からの批判をかわすために、あえて強めの例をあえて書いていると見るべきです。

 

ちなみに、つい直近の同業者からの実際の報告事例ですが、

 

留学生が、就職して、技術・人文知識・国際業務ビザに変更許可を得た後に、過去の税金滞納を理由として、ビザ取消がされたとの報告を受けています。

 

不許可ではなく、さらにより重い「ビザ取消」の処分がされていることは今までの流れからすればかなりの驚きの変化です。

 

そこからしても、上記の「例」は、世論に配慮したり 批判を防ぐために、強めの違反をあえて書いたと見る方が現実的です。

 

入管が世論に敏感で、世論対策をする傾向があることについては以下の記事もご覧ください。

やけに優しい入管の対応が怖い・・・新しい永住ビザ取消ケースについての運用案が発表されました② | 東京 新宿 かかりつけの外国人ビザ専門の行政書士 ソフィア国際法務事務所

 

⑥誤解しやすい点について=ご注意ください!

 

また、ガイドラインには「健康保険証等を掲示(見せることが)できないことで~変更や更新を不許可とすることはありません。」と書いていますが、

 

これは申請の際に(保険証の発行待ちなどの事情で)、掲示(見せること)ができなくても不許可になることはないという意味です。

 

つまり、「入管は加入促進のために掲示を求めているにすぎないため、掲示はなくても、加入していれば問題ない」と書いているにすぎませんので、ご注意ください。

 

言うまでもありませんが、「健康保険を未納滞納して 保険証がなくても、加入してなくても、不許可になることはない」という意味ではありません。

 

 

4,結論

 

税金(住民税や所得税など全ての「税」)や

 

国民健康保険税や

 

国民年金(ケースによっては健康保険&厚生年金も)

 

についての未納滞納やトラブルがある外国人の方は、

 

ビザの更新申請や変更申請の前(なるべくは在留期限の3か月前までかより早い時期)に、

 

信頼できる専門家に相談して十分な対策をしたうえで申請をすべきです。

 

もちろん、更新申請・変更申請だけでなく、「永住者ビザ申請をする予定の外国人の方」は、「絶対にこの対策をしたうえで申請」をしてください。高い確率で不許可になる可能性があることを否定できません

 

すでに、更新・変更申請をしてしまった方についても、永住ビザをご希望であれば、永住申請をするよりもかなり前の段階から対策を取ることをおすすめいたします。

 

詳しくはご相談下さい。申請のタイミングとは関係なしに、入管に説明立証資料や上申書・反省文を提出するなど、できることはあります。

 

何か気になることがあるのであれば、早期に信頼できる専門家に事前にカウンセリングや治療をしてもらってください。

 

ビザの問題やトラブルは、病気と同様に、早期発見・早期治療が何よりも強力な対策になります。

 

今日はここまでになります。

 

当事務所は不許可案件や困難案件がほとんどで、じっくり丁寧に一件一件作成するスタイルを取ってきて日本のビザ申請一筋14年目になります。その経験や知識がみなさんのお役に立てば幸いです。

 

何かあればお気軽にご相談ください。

 

入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 行政書士 横田あずま

 

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