こんにちは 東京の行政書士 横田 あずまです。
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みなさんこんにちは!
今日は、先日の記事の続編ということで、基本的なことながら、誤解が多い点について書いていきます。
永住ビザ・永住申請で許可を取るために本当に必要なリアルな条件・基準について、「配偶者ビザ(日本人の配偶者等ビザ・永住者の配偶者等ビザ・定住者ビザ)から永住申請をする方向け」に、新たに再度編集して追加情報を加えて、書いていきます。
これは、本当の不許可の理由を知ることでもあります。
さて、永住許可 みなさん欲しいと思いますが、永住許可のガイドライン(書いてあるままの内容)さえクリアすれば許可になると思っていませんか?
実はそんなことはありません。その辺のリアルなお話をしていきます。
(a)まず、ガイドラインを「本当に」クリアする、というのは、ガイドラインの「1単語レベルで」「超厳密に審査されても落とされない」場合に初めて「本当に」クリアすることになります。
つまり、(書いてあるままの内容の)ガイドラインを「なんとなく」クリアしても許可にならないケースがあるのです。
いわゆる優良案件以外のケースに多いパターンです。一般的な案件の永住申請ではこうしたケースは案外多いように感じています。
(b)また、ガイドライン以外にも、特にどこにも書いてない基準やポイントをクリアすることまで要求されるケースもあります(これも、いわゆる優良案件以外のケース)。
聞いていないよ!って話だと思いますが、永住ビザ許可は日本在留の最終ゴールで強力な資格を与えることになりますので、日本政府や入管は非常に厳格に慎重に審査をしてきます(特に2019年夏以降)。
上記のような、どこにも書いてない基準やポイントをクリアしていないことを理由にして不許可にすることは実際にリアルによく起きています。
理不尽ですが現実の審査では起きていることです・・・
そのような現実の中で永住許可を取るにはどうしたらよいか、以下の記事が参考になれば幸いです。
一、「ガイドラインを本当にクリアする」ことの意味を知る。
上記の通り、一番多い誤解の例としては、以下の「永住許可に関するガイドライン(書いてあるそのまま)」をクリアしさえすれば「永住が許可になる」と理解してしまうケースです。
まず、ガイドラインをご紹介いたしますね。
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1,法律上の要件
(1)素行が善良であること(素行善良要件といいます)
法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること(独立生計要件といいます)
日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること(国益適合要件といいます)
⇒なお、入管の考え方としては、「(3)の考慮要素は以下のア~エに限定されない」としている点は非常に重要ですが、このことはどこにも書いていません・・・(とある本には書いています)。裁判所もほぼ同意見です。
ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
イ 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。
ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間(現時点では3年ビザ以上であればOK)をもって在留していること。
エ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。
※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)素行善良要件 及び(2)独立生計要件に適合することを要しない。
⇒この「ただし~」以下についても読み違えや誤解の多いところです。詳しくは別記事をご覧ください=日本人・永住者の配偶者や子であれば、素行不良や年収が低くても永住ビザは許可になる?=NOです | 東京 新宿 かかりつけの外国人ビザ専門の行政書士 ソフィア国際法務事務所 (ameblo.jp)
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ここまでがガイドラインです。
では、最初の話に戻りますが、
まず、ガイドライン自体についての話ですが、「ガイドラインをクリアする」ということは、「その1単語・1行のすべてを、審査官に超厳格に判断されてもなお、クリアする」ということになります。
この「ガイドラインをクリアする」ということの「本当のリアルな意味」を理解していなければ許可は取れませんし、不許可から何回再申請しても不許可のままになってしまいます。
では、本当にクリアするにはどうしたらよいのでしょうか?
1,ガイドラインの「1単語や1行」の裏には膨大な量の実務情報が隠されており、案件に応じてそれらを駆使して説明立証する必要があります。
例えば、上記の(3)国益適合要件や最後の「ただし~」のところの「⇒」の注記の部分。
このような情報はガイドラインには書いてませんが許可を取るには必須の情報です。
また、上記の(2)素行善良要件についても、
どの時点から永住許可がありうるのか、ありうるとしてどのようなフォローが必要なのか、どのような素行不良から問題となりうるのか、
などなど疑問はつきませんが、ここでも「完璧な」対応(立証・説明・反省等)が要求されます。
そのため、永住申請については困難案件等の場合には、ケースの背景(犯歴ある場合等)によっては、「単なる交通違反レベル(通常は不要とされる)」でも反省文と説明書の提出が必須だと考えるべきです。
そして、(1)独立生計要件についても、
年収等でギリギリの案件はたくさんありますが、フォローの仕方によってはクリアできる場合もあります。
しかし、それには、それ専用の「超的確な」説明立証をしなければクリアはできません。
配偶者ビザからの永住申請であれば、それ用の独自のフォローのやり方(当事務所独自のやり方・ノウハウ)がありますので、それを使って対応していきます。
なお、ざっくりした言い方になってしまいますが、就労ビザからの永住申請の場合には300万円~330万円くらいが必要とされる一方、
配偶者ビザからの永住申請の場合にはもっと低い場合でも永住許可はありえることは書いておきますので覚えておいてください。
300万円ないから無理!なんて諦める必要はないということです。(特に日本人の配偶者ビザの方は有利ですので低くてもなんとかなる場合もあります)
さらに、(3)国益適合要件については、
まずイの素行不良がらみについては、その深い内容理解が困難ですし、どうやってクリアすべきかについても多くの失敗や誤解があるところです。
そして、この(3)国益適合要件については、上記の通り、ア~エ以外の要素も考慮されてしまいますし、実際の審査の現場では、そうした「(ア~エ以外の)申請人には分からない要素」で不許可になることも珍しくありません。
(そうした「申請人には分からない要素」について、あらかじめ先回りして「超的確な」立証説明反省等をすることで、不許可を避けて許可が取れている案件も多数あります)。
つまり、本当にクリアするには、上記のような各ポイントについて「超的確に」説明立証や反省文作成等する必要があるのです。
ここまではガイドライン自体の内部の話でした。次はガイドライン以外の話になります。
2,次に、「ガイドライン以外の条件・基準やポイントをクリアする」ことも要求されることを知る。
そして、永住許可には、上記の「永住許可に関するガイドライン」以外にもクリアしなければならない基準やポイントが存在します(一部は上記のガイドラインの裏にある膨大な情報と重複します)。
例えば・・・
・特にどこにも書いていないのですが、実務上要求される基準やポイント(案外変化します)。
=配偶者ビザからの永住申請であれば、夫婦お互いの過去の在留歴や離婚別居歴等についての疑問点や不明点がネックになって不許可になることはよくあります。
つまり、今の結婚生活についてしかチェックされないとは限りません(素行不良で不許可になることもありますし、就労活動の方で問題や違反等があればそちらで不許可になってしまうこともありえます)。
また、最近3年間の夫婦や家庭生活しかチェックされないということも絶対にありません(一部の例外事例を除く)
(入管は、申請人やその配偶者の過去のすべての在留活動等をさかのぼって再度詳細に調査した上で永住審査をするのが大原則となっています)。
=そして、年金や国民健康保険の未納や滞納歴については、直近の2年分しか見ない(入管が2年分しか要求してないから)、と大きな誤解をしている方が多いのですが、
実際には3年以上前の1日レベルの滞納があるだけでも不許可になっている事例があります。
そうした現実を知った上で説明書や反省文提出等の「完璧な」対応をする必要があります(詳しくは別記事に書いています)。
=永住申請は過去2年分の年金・健康保険だけを払えば許可になる?=NOです。建前と本音の区別を! | 東京 新宿 かかりつけの外国人ビザ専門の行政書士 ソフィア国際法務事務所 (ameblo.jp)
・ビザ制度の全体的理解や各種類のビザへの深い理解から必要と導き出される基準やポイント(これが分かるには、ビザ申請への深い理解と長年の実務経験が要求されます。特に困難案件で非常に重要)。
=例えば、離婚経験や別居経験がある場合のフォローなどに、これらの基準やポイントをベースにして説明や立証をすることが必須となります。
・各ケースの事情等から個別に要求される基準やポイント(同上)
=これは本当に案件によりバラバラです。それぞれに応じて適切なポイント説明や立証するなどしてフォローすることで不許可にならないようにしていきます。
各ケースの事情等は、例えば以下のようなもの
生活保護を受けている場合、事情により夫婦が別々に生活している場合、週末婚の場合、無職だが資産はある場合、うつ病などの精神障害により働けない場合、ブラック企業で仕方なく退職してアルバイト生活の場合、どちらかがずっと刑務所にいたり病院に入院している場合、などなど。
なお、これらの場合のうちいくつかについては、当事務所での永住許可の実績があります。
詳しくは、このブログの永住ビザのコーナーなどにいろいろと書いてますのでご参照ください。
3,まとめ
つまり、最初に書いたような、(書いてあるままの)永住ガイドライン(裏情報含まず)は「基本中の基本(許可に必要な1割程度)」にすぎません。「超最低限」のラインにすぎないのです。
「超最低限」のラインをクリアしただけでは永住許可にはならない、というケースがあるということです(いわゆる優良案件以外のケースに多いパターン)。
そのようなケースの場合には、「永住ガイドライン(上記のような裏情報含む)」はもちろんのこと、
さらに上記のような「永住ガイドライン以外の各基準やポイント」についても、
説明書や立証資料を提出してフォローして、不許可にならないようにする必要があります(困難案件では「不許可にならないこと=許可になること」がリアルな現実です)。
そこまでやれば、多少のマイナス事情や不利な事情ある案件(年金や国民健康保険のささいな未納滞納等あるケース等)でも
初回の申請で問題なく許可になるケースは案外多いというイメージです。
かなりの困難案件や不許可案件でも許可が狙えるケースも多数あるイメージです。
困難案件や不許可案件等を専門とする当事務所では、上記のようなやり方が許可を取るためのほぼ定番のやり方となっています。
4、逆に簡単に許可になる事例とは?
もちろん、有利な事情だけがある案件(隠された条件等含めてすべてクリアしている案件)や全くマイナス事情のない優良案件は(書いてあるままの)ガイドラインをクリアするだけであっさりと永住許可になります(特に立証も説明もなくホームページ紹介の定型の資料を提出すればいいだけです)。
ですが、たいていの場合には、何らかの多少の難点がある場合は珍しくなく、そうした多少の難点ありの事例は、昔ならノーチェックであったり、あっても不許可にまでしなかったわけですが、
近年ではささいな点で不許可にしてくる事例が増えているので注意する必要があります。
5,ここまでやらなくても許可になった時代も過去にはありました・・(2019年以前)
また、2019年以前の永住審査は緩い部分があったので、通常の案件でも上記のようなことまでしなくても許可になりやすかった時代もありました。
6,2019年以降の永住審査のリアルな状況
しかし、今は違います。2019年夏ごろからは2023年の現在までさらに右肩上がりで永住許可のハードルは上がってきています。
ますます(書いてあるままの)ガイドライン(裏情報含まず)の説明立証だけで許可になることは困難になる一方と言わざるを得ません。
なお、当事務所では、上記以外にも、素行不良や前科前歴(犯罪歴等)のあるケース、諸事情により極端に年収が低い世帯のケース、さらには離婚歴や別居歴あるケース等でも、永住ビザを取得した例がいくつもあります(ご来所いただければ、個人情報は黒塗りした資料をお見せすることは可能です)。
そのどのケースでも、長時間(4~5時間ほど)のインタビューや、1か月~3か月ほどの準備~制作期間をかけてじっくり作成する申請資料が許可に大いに貢献してくれています。
二、何らかの不利な事情やマイナス事情がある案件や困難・不許可案件に対する永住審査の「リアルな実情」を知ってください=公開情報は参考程度にしかなりません。
入管ビザ申請は、(その目的が国防・治安維持にあることや、繊細な問題を扱い世間的な批判等を考慮する等の事情から)、
本音と建て前が異なっている点が多数ある(本音をなかなか言わない・言えない)ので、基本的にはガイドライン等の公開情報は参考程度にとどめるべきで、そのまま鵜呑みにすべきではありません。
実務は公開情報とは異なる、一般の方には極めて不明瞭な運用で回っているケースが昔から多く見受けられます(上記の永住審査のやり方も同様です。また、今までのブログでもこの点についてはいろいろとご紹介してきました)。
特に不利な事情やマイナス事情のある案件や困難案件・例外案件や不許可案件に関しては、
このあたりの非公開情報や入管が明かしたがらない実務上の運用方針・考え方の部分を熟知しているかどうかが、許可・不許可をわけていると断言しても過言ではありません。
まさに実務を追い続ける専門家の存在意義はここにあるともいえます。
少しでも多くの人に、この暗黙の了解というか暗黙の事実を知ってもらいたいと思い書きました。ご参考になさってください。
永住ビザに関しては過去記事に実例等含めたくさん書いておりますのでよろしければご覧ください。
当事務所は不許可案件や困難案件がほとんどで、じっくり丁寧に一件一件作成するスタイルを取ってきて日本のビザ申請一筋12年目になります。その経験や知識がみなさんのお役に立てば幸いです。
何かあればお気軽にご相談ください。
入管・外国人ビザ(在留資格)申請専門 行政書士 横田あずま
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