物語/迷走 | ヨコオタロウの日記
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わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。
先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった。
/ 新約聖書



会社でプロットの打ち合わせ。
いろんな事情があって、仮プロットの段階でものすごい量になってしまってる。
しかも一貫性がない。

僕にとってのゲームは「体験>状況>物語>設定」というプライオリティなので、仮プロットだと物語や設定はグチャグチャなモノしか出てこない。ライターさんには大迷惑な話で申し訳ないなあ、とか思う。

それで、最近感じていたモヤモヤ。
ゲームの開発で「設定やシナリオを起点に、いろんな事を導き出す」っていう工法以外って無いもんだろうか、という事。別にそういうやりかたはあってもいいと思うけれど、そればっかりってのもヤだなーと。

しかも「システムが先にあって、その制約で物語の描写はこうなります」とかじゃなくて「このシステムだから、この物語が生まれたんです」的な。システムを絵や音に置き換えても可。
そういうゲームがあったらプレイしたい。
知ってる人が居たら教えてミー。



しかし今の日本のゲーム業界は迷妄の時期だと思う。
日本のゲーム業界というか、僕が。

ドラゴン1の時にキチガイ大集合の設定になったのは「FFでもDQでも無双でも無い」という場所がそこだったという単純な理由だったけれど、今は北米が市場をリードしている訳だから北米の売れ線を参考にしつつ、そこから少しズラすという戦略を採らないといけない。いけないっていうか、そういうリクエストがどうしても来る。

しかし、北米のゲームはトゥーマッチ過ぎて一体どこがツボで何を持ってヒットしているのかが体感としては全然掴めない。「ハゲマッチョが鎖剣で暴れ回る」とか「筋肉ダルマがイナゴをチェーンソーで斬る」とかの隣にどういうゲームが並ぶべきか?とか、和食を食べてる民族が判るわけねー!って叫びたくなる。

僕の目には「ギラギラしてて、マッチョで、血が出て、爽快感があれば良いんでしょ?」くらいの幼稚な特徴しか掴めないけれど、それって外人が「日本のアニメは全部目が大きい」くらいの見識でしか無いだろうし。

じゃあ売れてる Wii とか DS はどうなんだ?って言われると、売れてるソフトの共通項は「任天堂製です」くらい。「どうぶつの森」が Wii で出たらものすごい売れるだろうね、でもそっくりなソフトがハドソンから出ても誰も買わないよねっていう。

そんな風に迷走している自分を見ると「ああ、歳を取ったなあ」と感じる。
今時の若い人で「ゲームは好きじゃないけど安定してるからこの業界に入りました」みたいな人が、サラッと新しい発想でこの難局を乗り切っちゃうんだろうなあ。