近年、日本の保育現場でも注目されている「レッジョ・エミリア・アプローチ」。
聞いたことがあるけれど、具体的にどのような保育なのか知らないという方も多いのではないでしょうか?
この教育法は、子ども一人ひとりの可能性を最大限に引き出すことを目的とし、イタリアの小さな町から始まったにもかかわらず、今では世界中の保育関係者に影響を与えています。
この記事では、レッジョ・エミリア・アプローチの特徴や、日本の保育との違い、そして保育士を目指す方にとってこの考え方がどのように役立つのかをご紹介します。
レッジョ・エミリア・アプローチとは?
レッジョ・エミリア・アプローチとは、イタリア北部にあるレッジョ・エミリア市で生まれた幼児教育の実践方法です。
第二次世界大戦後、町の住民たちが「戦争のような悲劇を繰り返さないためには、民主的で創造的な教育が必要だ」と考え、共同で幼稚園を設立したことがきっかけとなりました。
この教育法を体系化し、世界に広めたのが教育者ローリス・マラグッツィ氏です。
彼は、子どもたちには「100の言葉(表現手段)」があると信じ、子どもが本来持っている探究心や創造力、コミュニケーション能力を尊重する保育を提唱しました。
レッジョ・エミリアの保育の5つの特徴
1. 子どもを「有能な存在」として尊重する
レッジョ・エミリアの保育では、子どもはまだ何も知らない存在ではなく、自ら考え、行動できる「有能な存在」として扱われます。
大人が教え込むのではなく、子どもの興味や発見を大切にしながら学びを導いていくのが特徴です。
2. プロジェクト型保育の実施
子どもの関心からスタートする「プロジェクト活動」は、レッジョ・エミリアの中心的な保育方法です。
たとえば、子どもが「水ってどうやって動くの?」と疑問を持てば、そのテーマをクラス全体で探究します。
水を観察し、描き、触れ、実験しながら学ぶ中で、子どもたちは自然と知識や表現力を育んでいきます。
3. アトリエ(創造活動の場)の活用
多くのレッジョ・エミリア系の幼児施設には「アトリエ」と呼ばれる空間が設けられています。
絵の具や粘土、紙、自然素材などを使って、子どもたちが自由に表現できる場です。
アトリエは単なる工作の場ではなく、「考えること」「伝えること」「感じること」を育む大切な場所です。
4. ドキュメンテーションによる記録
保育士や教育者は、子どもの言葉や行動を写真やメモで詳細に記録(ドキュメンテーション)します。
そして、その記録をもとに、子ども自身や保護者とともに学びのプロセスを共有します。
これにより、子どもが自分の成長を実感し、次の活動へのモチベーションにもつながります。
5. 保護者・地域との協働
レッジョ・エミリア・アプローチでは、保護者や地域社会との連携が欠かせません。
保育士、保護者、子どもが対等な関係で関わり合いながら、保育を進めていきます。
保護者が園に積極的に関わることで、子どもたちにとっても豊かな学びの環境が生まれます。
日本の保育との違いは?
日本の保育は、園によって様々な保育方針がありますが、どちらかというと集団を意識することを重視する傾向があります。
一方、レッジョ・エミリアでは「個」を尊重し、子ども一人ひとりの考えや感性を大切にするのが基本です。
もちろん、日本の保育にも個性を大事にする動きはありますが、レッジョ・エミリア・アプローチはその点をより徹底しています。
また、レッジョでは評価のための「テスト」は行いません。
かわりに、子どもが自分の興味から学びを深めていく過程そのものを大切にし、その過程を大人がしっかりと見守ります。
こうしたアプローチは、これからの保育に求められる「非認知能力の育成」にもつながっています。
なぜ今、レッジョ・エミリアの保育が注目されているのか?
グローバル化や情報化が進む現代では、「言われたことをこなす力」よりも、「自ら考え、他者と協力しながら行動する力」が重要とされています。
そのため、創造性や主体性を育てるレッジョ・エミリア・アプローチは、これからの時代にマッチした教育方法として世界中で注目されています。
さらに、日本の保育現場でも、画一的なカリキュラムから脱却し、子ども中心の保育へと移行する流れが強まっており、レッジョ・エミリアの考え方が保育士養成の現場でも取り入れられつつあります。
保育士を目指すなら、「子ども中心の教育」を学べる専門学校へ
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絵本や音楽、造形活動など「子どもの表現力」を引き出す授業も多数あり、まさにレッジョ・エミリアの理念に通じる教育を体感できます。
また、現場経験豊富な講師陣の指導のもと、実習やインターンシップも充実。現場に出たときにすぐに活躍できる力を養います。
未来の保育士に求められる力とは?
レッジョ・エミリア・アプローチは、単なる保育技法ではなく、「子どもをどう見つめ、どう育てるか」という深い哲学を持った教育です。
これからの時代、保育士には子どもの個性を見極め、寄り添い、共に育っていく姿勢が求められます。
保育士を目指している方、そしてすでに保育の現場にいる方も、レッジョ・エミリアの保育にふれてみることで、子どもとの関わり方に新たな視点を得られるかもしれません。
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