はち切れるまで詰め込んで。

ブログネタ：お母さんの手料理で好きなもの参加中

胃袋をつかむ、とか。そんな言い方があったと思うけど、
どんなに美味しいものよりも、
ママの作るおせちが一番美味しい。

次は、ママの作るコーンクリームスープ。
その次は、ママの作る •••なんだろ。
いや、おばあちゃんの作る筍ご飯だな。

どれも、今は食べられないもの。
そうやってこの世の中から、美味しいものが消えて行くんだ。

【はち切れるまで詰め込んで】

飽食の時代に生きて
まだ飽き足らず
胃袋に何もかもを詰め込みながら
お菓子の家に入る。

飽和する情報に流されて
まだ飽き足らず
暗闇で液晶ライトを浴びながら
ゲームの扉を開ける。

放置された人形に見られて
まだ飽き足らず
店頭に並ぶ白い顔を比べながら
新作のカタログを広げる。

放棄した権利を手繰り寄せて
また飽き足らず
お金を払って磨り減りながら
幻想に迷い込む。

贅沢な世界は、すぐそこに。
贅肉に包まれたからだを震わしながら
もっと早く走りたいと願う。

美味しいものを口にして
いらないものを排泄したいと願う。
贅沢ものの物語。