ここ数年ぐんまマラソンに参加しています。
私の地元群馬県の前橋市で開催されるフルマラソンの大会で、
高校時代に3年間通っていた前橋市の敷島公園、
正田醤油スタジアムをスタート&フィニッシュとする大会です。
後半の35km過ぎで群馬大橋の下を通過すると現れるのがこの建物、
群馬ロイヤルホテルです。
利根川河畔に位置し赤城、榛名、妙義の上毛三山、
浅間山、谷川岳を一望できる恵まれたロケーションの中に建つ
群馬を代表する国際ホテルです。
東京から新潟へ通じる国道17号、
利根川に架かる群馬大橋を渡ると出向えるように建っている、
まさに前橋市の玄関口に当たります。
2大建築月刊誌がほぼ同じアングルの写真を掲載、
強烈なイメージが残っています。
建築文化 ’76年4月号掲載
新建築 ’76年4月号
’76年の竣工、
設計は坂倉建築研究所の阪田 誠造氏、
つまりル・コルビジェのDNAが受け継がれている建築です。
高校を卒業後に完成した建築で、
完成を楽しみにしていましたが、
完成したその姿を見ることなく上京、
建築雑誌で目の当たりにして感動したことが記憶に残ります。
今では完成から43年と歳月が過ぎかなり色あせてしまっていますが、
ラスター磁器タイルは当時先進的なタイルでした。
ラスタータイルとはパール状の光彩を発するタイルで、
乗用車のボディカラーのパールホワイトみたいな輝きをもった色のタイルです。
利根川を渡るときに特に目立つ建築なので、
ミラーガラスを始めガラスタイル、磁器タイル、金属パネル、
メタリックペイント、パールコートペイントなど、
太陽の光を演出できるさまざまな外壁素材が検討された結果、
ラスター磁器タイルが採用されたようです。
設計者の意図が見事にはまり、
日没ころ西の空が茜色からぶどう色、
藍色と染まり周囲が闇に包まれ始めたころに、
この建物の外壁はまるで行灯のように輝きははじめます。
ここを走るたびに思い出がよみがえり立ち止まってしまい、
1~2分はタイムロスしてます(笑)
正面見上げ
17号側外観
屋上庭園
図面(建築文化より)