「スターツロード・レムクル(Statsraad Lehmkuhl)」は1914(大正3)年にドイツで建造された全長98mの大型帆船。
現在はノルウェーのスターツロード・レムクル財団の所有船となっています。
ふだんはノルウェーの近海でセーリング体験や船員教育などのチャータークルーズに利用されていますが、2021年9月から持続可能な海洋開発への取り組みを支援するため、1年半をかけて地球を一周する長い航海を続けているとか。
そんなわけで建造から108年目にして初めての日本寄港。
本日、9月12日に横浜港へ接岸しました。
インスタで相互フォローしている方が情報をくださったので、めったにない帆船の入港を見に行きました。
桜木町駅から汽車道を通ってハンマーヘッドへ。
月曜の朝とあって観光客はさすがに少なめ。
あれ? もう接岸してる?
……と思ったら「未来へ」という日本の研修船でした。
ハンマーヘッドパークに到着。
「ハンマーヘッド」の由来となった古いグレーのクレーンが目印。
私の郷里の呉市にも、かつて戦艦大和の建造に使われた同型の古いクレーンがあったのですが、三年前に惜しまれつつ解体されました。
呉のクレーンは保存してくれーんかったんじゃ
次の戦争に備えて金属類回収令で供出されたという噂も……
あるわけなかろう
右の建物は客船ターミナルの「横浜ハンマーヘッド」。
レストランとかショップとかあります。
デッキには望遠レンズをつけた撮り鉄ならぬ撮り船が大勢たむろしています。
海辺もこんな感じ。
意外とギャラリー多かった。
帆船より先に「あかいくつ」が到着。
桜木町駅を起点に横浜の観光スポットをめぐる周遊バスです。
埠頭では海上自衛隊横須賀音楽隊がスタンバイ。
登場しました。スターツロード・レムクル。
マストに掲げているのは万国旗ではなく国際信号旗の満船飾。
満船飾は祝意を示すために旗を連揚するしきたりです。
昔は万国旗だったらしいのですが、旗の順番が国家間の上下関係と誤解されるため国際信号旗になったとか。
ミズンマストには巨大なノルウェー国旗を掲げています。
ちなみにミズン(mizzen)マストとは前から3本目のマストのこと。
メインマストより低いのが特徴です。
ハンマーヘッドのギャラリーも盛り上がってまいりました。
海辺のギャラリーが「歓迎」の意味をあらわすU+W+2の3字信号旗を掲げています。
さすが横浜の撮り船。準備がよろしい。
ちなみにU+Wの2字信号では「ご安航を祈る」の意味になります。
いよいよ埠頭に近づいてきました。
なにやら横断幕を掲げる人も。船から見えるかしらん。
ハンマーヘッドパークは接岸埠頭の反対側になるので撮影場所を移動しました。
写真ではわかりにくいですが、船のデッキ上では接岸に備えてフェンダーを準備中。
膨張式のエアフェンダーに見えました。
サイドスラスターもないのにタグボートを使わず自力でスムーズに接岸する技術はさすがです。
ちなみにこの船の主機関は見かけに反して超ハイテクで、帆走中に充電できるバッテリー搭載のハイブリッド仕様だそうです。
ただ「帆走中に充電できる」といっても帆走中に空転するプロペラを利用してエネルギーを回生するのではなく、ふつうに内燃機関で発電するみたい。
つまりハイブリッドというより充電式バッテリーを搭載したディーゼルエレクトリックではないかと。
しらんけど
パシフィコ横浜から見た横浜ハンマーヘッド埠頭。
「スターツロード・レムクル」は9月15日まで停泊予定。
明日は船上を一般公開する「オープンデッキ」が予定されていますが、学術的な交流がメインのようなので、門外漢のわたくしはパスします。
ちなみに昨日(9月11日)は日本丸の展帆日でした。
午後になって出かけたら、すでに畳帆作業中でした。
ちなみに日本丸は4本マスト。
この場合、最後尾のマストはジガーマストといいます。
次の展帆日は9月24日の土曜日の予定です。
おしまい
本日もご覧いただきありがとうございました。