8月14日のブログに歌舞伎に行った時のことを書いたが、その中で彼岸花に触れたよね。

 

曼珠沙華とも呼ばれるこの花は、数え上げると1000を超える別名を持っているそうだが、どれもあまり縁起の良い名前ではないよ。

よく墓場に植えられている花ということからかもしれないね。

実はわしは秋田に居た子供の頃には、この彼岸花を知らなかった。

お盆やお彼岸のお墓参りの時などには、薄くて細い杉の板を真っ赤に染めて花の形に曲げたものをお供えしたが、これはあくまでも仏様用の架空の花だと思っていたよ。

仙台で下宿していた時に、近くの墓地や空き地に彼岸花が咲いているのを見て、実在の花だったことを知って驚いたよ。

 

今は日本中に群生しているらしいが、当時の秋田県には無かったんじゃないかな。

 

彼岸花の学名は “Lycoris (リコリス)” と言って、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草なんだね。

帰化植物で、原産地は中国大陸なんだそうな。

 

学名の属名 Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話に出てくる海に棲む女神たちを指すネーレーイス、英語ではネレイドの一人であるリューコーリアス (Lycorias) からとったもので、種小名は花が完全に開いた時に放射状に大きく広がっていることから「放射状」を意味するラジアータ( radiata)とつけられているよ。

 

英語では、花びらの様子が蜘蛛を連想させることから、レッドスパイダーリリー (Red spider lily=赤い蜘蛛の百合)、スパイダーリリー (Spider lily=蜘蛛の百合) などとも呼ばれているよ。

 

よくお墓の周囲に植えられていて、この花の印象を暗いものにしているが、彼岸花の球根は強い毒を持っているので、土葬が主流だった時代にモグラやネズミから遺体を守るために、植えられていたそうのだそうな。

 

白や黄色、オレンジの彼岸花もあるんだね。

彼岸花全体の花言葉は「情熱」「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」などだよ。

 

白い彼岸花の花言葉は「また会う日を楽しみに」「想うはあなたひとり」とロマンティックな印象を受けるが、どうかね。

 

黄色の彼岸花の花言葉は「深い思いやり」「追想」「陽気」「元気な心」だよ。

黄色らしく明るい花言葉だね。

 

オレンジの彼岸花の花言葉は「妖艶」。

日陰でオレンジ色の花を咲かせる妖しく美しい咲き姿に由来するといわれているそうな。

茨城県常陸太田市の源氏川沿いと、埼玉県巾着田の彼岸花、実に見事ですなぁ!