無情の桜吹雪 | フーテンの横チン

無情の桜吹雪


2014・4・4~愛媛・松山市~
 悪い予感は的中した…。通勤途中にあるお堀をのぞいたら、ソメイヨシノの木の下が薄ピンク色に染まっていた。散った無数の花びらが浮かんでいたのだ。やっぱりな…。前夜、雨が降り続く暗闇の空を眺めながら「頼みますから、花を落とさないでください」とお祈りしたんだけど、その思いは届かなかった。

 がっくりとしたところに、とどめを刺すように強い風が吹いた。「ああ、やめてくれ…」。無情にも、桜が飛ばされ、空に舞い上がった。いつかは散るってことは分かっちゃいるんだけど、やっぱり見たくはないよね…。いつまでも吹き続ける風、そして飛び続ける花びら。そんな光景を眺めながら、マスク姿のオッチャンは心の中で泣いていた。