桜のゲート | フーテンの横チン

桜のゲート


2014・4・1~愛媛・松山市~
 こんなに絵になるソメイヨシノを見たことがない。早朝の伊予鉄・石手川公園駅前。川沿いに咲く1本の桜が華麗に花開いていた。大きく弧を描いた1本の枝が川沿いへと手を伸ばすように垂れ下がっていて、まるでピンク色のアーチを描いているようにも見える。あっち行ったり、こっち行ったりと、アングルを変えながら写真を撮っていると、おばあちゃんがあいさつしてくれた。
 「おはようございます」。おはようございます。「お写真ですか?」。はい、この桜、きれいですよねえ。「そうですねえ。きれいに咲いて…」。しばし、2人でお花見。「こんなきれいな桜を見られて、幸せです。ありがとうございます」。お天道さまに感謝しているようだった。
 どんなにつらいことがあっても、朝陽は毎日昇り、着実に時を刻み、春夏秋冬を過ぎ、また春がやってくる。自然が与えてくれる恵みに、人間は喜びを噛みしめる。新たな出発の日。社会人としてスタートを切った人、学生生活を始めた人、たくさんの人々が気持ち新たに一歩を踏み出したに違いない。最近、前髪に増え始めた白髪をやたら気にする39歳のオッサンも、桜のアーチを通って、大急ぎで会社に向かったのだった。