今頃ゴニルのBirthday | S.E.C.R.E.TなSUPERNOVA☆アリスタのブログ

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超新星大好き‼ソンジェ寄り寄りのオールペン、アリスタです。
「私の彼は超新星」のイベントストーリーを小説風にアレンジして記事にまとめてます♪☆ゲーストーリーに基本忠実に…いいカンジに盛ったり妄想が渦巻いたり、アリスタバージョンでお届けしてます\(^o^)/



昼休みの緊急職員集合は珍しいことではなかった。


話は案の定不審者絡み…
朝から校庭沿いのフェンス付近で何度も目撃されているという男の特徴を聞きながら
私は思わず立ち上がり大きな声を漏らしてしまう。


「あっ⁈」


葉子先生、どうかしましたか?って
教頭に窘められなんでもありませんと答えて座った。


なんでもなくはない…

背が高くて細身
太い黒ぶちの眼鏡…

黒いツバのある帽子の若いオトコは休み時間の校庭を目を凝らして眺めたり
授業中の校舎を見上げたり

かれこれもう何時間も学校周辺から離れないらしい。



…それ…きっと


ゴニルくんだ… …



会議が解かれるのを待って職員室を飛び出した。
携帯を握りしめてバタバタと小走りで廊下を行き過ぎながら校舎周りを見下ろす。
…と同時にゴニルくんの携帯に電話をかけた。


私が帽子の先っぽを見つけたのと
ゴニルくんが電話に出たのはほぼ同時…

黒ぶち眼鏡黒いツバのある帽子…
ああやっぱりゴニルくんだ。


あんなにうれしそうな顔して…

ポケットから携帯取り出して画面見て…

ゴニルくんたらキラキラしてる。

それが好きなところのひとつなんだけど…




「もしもし⁉︎葉子ちゃん?」


「ゴニルくん‼︎伏せてっ‼︎」


ゴニルくんの大丈夫なの電話で話したりして?…っていううれしそうな言葉を遮ってもう一度声を潜めて言う。


「とにかく伏せてっ‼︎お願い‼︎‼︎」


見つかって捕まりでもしたら大変だ。


徹底して他人のフリしても…
私の彼なんです私のことを見に来てただけなんです‼︎なんて説明しても…
最大限にややこしいことになってしまうことは確実だった。



緊迫した私の様子を察したように
ゴニルくんはその場に小さくなってしゃがみ込む。
それでも大好きな私の彼は十分に大きかった。


「…ありがとう」


「えっ?えっ?葉子ちゃん座ったのがわかったの?僕が見えてるの?」


「あっ立っちゃだめ‼︎」


慌ててまた座りなおすゴニルくんは行き交う人にも不審な顔で見られながら座ったまましばらくきょろきょろしていた。

私と話しながらもきょろきょろ
きょろきょろ…




…おかしいと思った。


昨日寝る前は、明日誕生日なのに一緒にいられないなんて…って拗ねて大変だったのに。


今朝は何だかにこにこしてた。
仕事だもん。仕方ないよね。
仕事がんばってね~いってらっしゃい‼︎
なんて笑顔で送り出してくれて。


よく考えたら幸せだよ。
もう十分‼︎‼︎
ベッドの中で一番におめでとうも言ってもらえたし
誕生日の朝に大好きな人とおはようを言い合えるんだよ~これ以上のプレゼントないよね。


なんて…



おやすみからおはようまでの
いったいいつのどのタイミングで
このこと思いついたんだろう?



「ゴニルくん、すぐに学校から離れて。詳しいことは帰ってから話すから」


2階の私に気づいて…手を振るゴニルくんに慌てて身振りで座るように促しながら説得した。



せっかくのチャンスだったのにな…とかなんとか
ブツブツ…ブツブツ…

不服そうだったけど、わかった。早く夜にならないかな…って言いながら

ゴニルくんはもう一度こちらにすごく小さく手を振るとしゃがんだまま学校の塀沿いに去って行った。


ふふ…ホントあやしい^^


ホッとしたのもつかの間、私は大変なことに気づいてしまう。今夜の計画は全体的に2時間は遅くなることは確実だった。


今日は勤務時間が終わったらすぐに学校を飛び出すつもりだったんだけどな。


背の高い不審者さんのおかげで放課後の子どもたちの安全が確認されるまでは帰れない。

予約していたレストラン
キャンセルしなきゃ…


ゴニルくんが行きたいって言っていたイタリアンレストランはなかなか予約の取れない店。

今年のゴニルくんの誕生日は仕事が終わってからが勝負だったのに…

あのレストランでゆっくりふたりでおいしい料理を食べたかったな…


ちょっと途方に暮れながらもそれからの時間、子どもたちが下校するまでは
そのことを考える間もないほど私は忙しかった。



校区の見回りから戻ると18時…

19時には学校を出られるかな?

それから一度帰って着替えて…

ふたりで家の近くの遅くまで開いてるバーに行こう。

料理もおいしいしあそこならゴニルくんきっと喜んでくれる。

頭の中で急いで今夜の計画を立て直す…





『すぐ近くのカフェで待ってるからね』

ゴニルくんからのLINEに気づいたのはバッグとコートをロッカーに取りに行った時だった。

メッセージの表示は17時

ずっと待ってくれてたなんて。

あなたとすぐに繋がりたくて、更衣室で声を潜めてゴニルくんの携帯に電話をかける。


「もしもし…葉子ちゃん?」


「ゴニルくん…」


真っ暗になっちゃったね。ごめんね。
謝る私にゴニルくんの声はやさしく届いた。


「いや…まだすっかりブラックじゃないよ。カーマイン1ビリジャン2くらいの暗さかな…?」



ゴニルくん、カフェで絵を描いてるんだ…
混色比率で色を示すのは絵を描いてる時やノリに乗ってる時のゴニルくんのクセ…



ああそれは深い冬の海の色…



カーマイン
ビリジャン
バーミリオン
モーブ


それらはもう今は私にとっても赤や青やオレンジや紫のように馴染みのある色たちだった。


大丈夫だよって言ってくれてるの?



学校の側はまずいみたいだったからね
街の中をぶらぶらしたり
ハンバーガー買って近くの海に行ったりしてたんだよ
スケッチブックとあの色鉛筆持って来たから楽しかった… …



うんうん…って頷きながら聞く。


ああ私はこの人が大好き…


ゴニルくんは思ったことがすべてで…


時々今日みたいに思いもつかないことになっちゃったりもするけど


それらの隅々までもが私は愛おしかった。




カフェの扉を開けるとゴニルくんは周りの人が振り向くくらいの大きな声で私の名前を呼んだ。


「あったかいカフェラテ?」

うん…ちょうどそれが飲みたくてたまらなかったとこ。
ゴニルくんは近くの店員さんに丁寧な言葉で注文すると「ちょっと待っててね。仕上げだから」って言ってスケッチブックに視線を移す。


コップの水をテーブルに少し零して
そこに小指を浸してスケッチブックにのせた色を散らした。


今朝私が渡した誕生日プレゼントは
水で溶かすと水彩画の風合いになる色鉛筆で、ゴニルくんはそれをとてもとても喜んだ。


気に入ってくれたんだってうれしくて見てると…あれ…?それって…


「できたよ…ジャーン‼︎今日の葉子ちゃん」


スケッチブックの中の私はくしゃくしゃの笑顔でちょっと涙目で…


「あの子…がんばったよね。縄跳びやっと跳べて…
葉子ちゃん、あんなにうれしそうな顔をするんだもん。いいもの見ちゃったよ。」



恥ずかしくてうれしくて涙が出そうになって…ごまかすように
ゴニルくん、不審者だって思われて大変だったんだよ~って私は打ち明けた。


ハハハーって大笑いで
しばらく止まらないくらいゴニルくんは
それはごめんねって言って笑った。



もらってばっかりだ…
ゴニルくんの誕生日なのに。
あったかいものをこんなにも受け取って
私はどうすればいいんだろう…



「レストラン行けなくてごめんね」


「じゃあ代わりに、アレもう一回やってよ…」




…それから私たちは
家の近くのバーに行って、おいしい料理とお酒でたくさんしゃべってほんのり酔って。


帰って、アレしてよってもう一度ゴニルくんは私にねだった。



自分が拗ねた時の私の対処法がよかった…とか言われても~

僕のことわかってくれてるって
うれしかったらしい…



アレはあんなふうになってたから
できたこと…っていうか。

自然にやったことだから
今日またできるかどうか。



いいからいいから…ってゴニルくんは昨日の夜の再現みたいに大げさに拗ねてみせた。



無口なままのゴニルくんを強引に洗面所に連れて行って

歯磨き粉付けた歯ブラシをダランとしてる手のひらに握らせて…



「ふふ…昨日みたいにしゃべらないで磨く?」


「昨日はしゃべらないで歯を磨くことだけに専念したんだよね。」


それが当たり前なんだけどね。


今日はムリだよ。そこはしゃべるから…って言って歯磨き粉が飛び散るほどここはしゃべって…


またすぐに昨日の再現…パタっと無口になったゴニルくんをベッドに連れて行った。



「おやすみ、ゴニルくん」


「……」



ここは昨日のようにするんだね。



黙ったままのゴニルくんの頬にそっと触れて



その場所にやさしくKissをした。




「満点だよ」



ゴニルくんはニコッと微笑む…



「ホワイト20にカーマイン1の夜だね」



それは綿菓子のように甘い色…



そう言ってガバッと私を抱きしめて



ベッドの中に潜り込ませた。







END







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