今年はお休みだが、

例年、年末に台所で格闘していた怪獣ヤツガシラ。

こいつは値のはる大きな謎の
「頭」だ。
毛深い茶色の剥きづらい皮に、
手脚気なせいもあり手間取るが、
おばあちゃんとの
冷たい水と痒さの思い出も懐かしく、
いつの間にか毎年会いたくなった。
出汁で薄味に煮る。
 
あ、手脚気(てがっけ)は向田邦子さんが使われていた言葉。
ぶきっちょ、のことらしい。
 
 
もうひとつ暮れに現れる
角が生え、青みがかった
慈姑という小さなあいつ。
クワイ。
やはりおばあちゃんから伝わったのは、
くわいのおろし揚げ。
皮をむいておろして卵と混ぜて揚げる、お椀だね。
一見唐揚げ。
うちでは、
三つ葉とお雑煮と共に、
緩めに
お椀で泳いでいた。

ずっと作ってきた。
慣れないことも、
続けてたらいつの間にか、
成っていたりするね。
近頃、フッとそんな気がする。

私、きっと上手になってるだろうな。

ではまたね。