2006年07月17日

【小説】日本以外全部沈没

テーマ:Book Review


筒井 康隆
日本以外全部沈没―パニック短篇集

 文豪、そして初アニメ化「時をかける少女」でも有名な筒井康隆の、これまた有名な短編集です。
 こちらも映画化されるんですね。2006年晩夏、シネセゾン渋谷にてレイトショーほか全国順次公開だそうです。
 よりによって、これを映画化って…これ観たら外国人は激怒するんじゃないかなあ?

 とにかく、抱腹絶倒のパロディ、痛烈な皮肉に満ちた珠玉の作品群なのです。

 まずタイトル作品の「日本以外全部沈没」は、映画化に伴いいろんなところに解説が載っているので、コメントはそれらに譲るとして…

 タイトル作品以外にも、「ヒノマル酒場」は、吉本チックな庶民の笑いとTV報道への皮肉が入り混じった傑作だし、「ワイド仇討」も、マスコミが煽ってつくりあげる騒動のおかしさを笑い飛ばします。

 「新宿祭」は、当時の左派学生運動の青臭さと脆さへの皮肉。まるでドリフのコントを観ているかのようなパニックぶりが笑えます。

 「人類の大不調和」「アフリカの爆弾」は、世界平和への営みの空しさを笑い、「日本列島七曲り」「農協月へ行く」は、日本人自身の習性をデフォルメして代弁させているとも言えましょう。

 そして「あるいは酒でいっぱいの海」「パチンコ必勝原理」「黄金の家」といったショートコントが、笑いを絶やさないようにちりばめられています。


 ともすると世界の舞台ではいつも引っ込み思案で自虐的な日本。

 日本沈没っていう究極の自虐よりも、日本以外全部沈没っていう傲慢な笑いを表現するほうが、これからの日本って感じがしませんか?


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出版社/著者からの内容紹介
 地球の大変動で日本列島を除く陸地が全て海没、世界の著名人が押し寄せた!
地球の大変動で日本列島を除くすべての陸地が水没! 日本に殺到した世界の政治家、ハリウッドスターなどが必死で日本語を覚え、日本人に媚びて生き残ろうとするが。時代を超越した筒井康隆の「危険」が我々を襲う。

内容(「BOOK」データベースより)
 地球規模の地殻変動で、日本を除くほとんどの陸地が海没してしまった。各国の大物政治家はあの手この手で領土をねだり、邦画出演を狙うハリウッドスターは必死で日本語を学ぶ。生き残りをかけた世界のセレブに媚びを売られ、すっかり舞い上がってしまった日本と日本人だが…。痛烈なアイロニーが我々の国家観を吹き飛ばす笑撃の表題作(登場人物解説付)ほか、新発掘短篇「黄金の家」も収録。
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コメント

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2 ■ridiaさま

世界から恐れられる農協のじいさんばあさん、高齢化社会のこれからのあるべき姿を示唆しているといっても言いすぎではないような笑える話ですよね。
自分は、ヒノマル酒場の登場人物達がおりなす、吉本新喜劇ばりの「あんさん、なにゆうてんねん」みたいな難癖のつけ方がツボです。

1 ■短編いいですよね

わたしは「農協月へ行く」が好きです。
何度読み返してもニヤニヤしちゃう。

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