閑話休題。退屈な時間を愉しめるように | mizusumashi-tei みずすまし亭通信

森類は幼いころ父鴎外に「退屈な時間を愉しめるようにならないといけない」みたいなことを言われたと(手元に原本がないので正確ではないが)朝井まかて『類』に書かれていた。退屈なのは自身の内実であって、無為な時間や変わりばえもしない景色のせいではないのだよ。ということなのだろう。

 

「変わりばえもしない風景」を見まわしてみれば、四季咲サクラの小さな花びらは開き、梅花はいよいよ赤みを増す。遠くに見えるのはコナラだろうか? 黄色い花序が朝の青空によく映える。朝から春の日差しが暖かなので久しぶりに栖吉川の土手を歩いて事務所に向かった。

 

コナラかな?

 

なんてことを昼休みに書いていたら YouTube から、あなたが泣くときは わたしは空を見よう あなたが泣きやめばふたりで空を見よう 愛だとか恋だとかむずかしく言わないでわたしの子供になりなさい… などと、中島みゆきが歌いだす。「わたしの子供になれ」とは中島菩薩の慈悲か?

 

追伸)鴎外が類に言った言葉は「退屈な…」ではなく「何でもない景色を楽しめる、そんな大人になれ(p.62)」でした。全然違うじゃーねぇか、よぉ。

 

 

横死した朝陽たまりにながながと築堤つつみは西に真直ぐと延びて