マキノ雅裕「女優志 情」 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
.-マキノ
マキノ雅裕:女優志 情(昭54年)草風社

映画監督マキノ雅裕は縁あった多くの女優を育てたことでも知られ、当本はその出会いがさらりと描かれている。巻頭にマキノ自身子役時代に共に演じた姉のマキノ智子、巻末には山田五十鈴が据えられていて興味深い。山田五十鈴は16歳の時にマキノに出会い女優に開眼、大女優への道をかけのぼる。マキノは新東宝での第一作「りゃんこの弥太郎」で新人の池内淳子にであった。

彼女は汗っかきで(また緊張もあって)一度のテストでメイクがぐしゃぐしゃになる。ただ熱心で端役だったものの、マキノの演技法を吸収しようと撮影のそばを離れない。その態度に将来を予感したマキノだったが、昭和35年、新東宝では出番がない彼女をテレビに行くように勧める。これを契機にテレビに転身、以後(ご年配の)皆さまご存知の活躍を致します。その池内も 2010年9月に亡くなりました。探しているのですが、なかなか良いスチールが見つかりません。

$.-北原三枝
次郎長遊侠伝・秋葉の火祭りの北原三枝(昭30)

この「次郎長遊侠伝・秋葉の火祭り」を見た石原裕次郎が北原三枝に一目惚れ、日活で共演するようになったふたりは昭和35年2月に結婚、裕次郎の気持ちが判りまする。さて、マキノは幾度が改名している。ここでは「雅裕」津川雅彦の叔父にあたります。