Fantasy on Ice 2020 第一弾 出演スケーター他 | Il nome della rosa

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羽生結弦選手の自叙伝『蒼い炎』(扶桑社)のベトナム語版が、3月に現地出版社AZ Communication & Cultureより発売されます。『蒼い炎Ⅱ』は11月刊行予定。また同時に中国と台湾の現地出版社とも正式に契約し翻訳版を制作中です。こちらも発売時期が決まり次第、追ってお知らせします。

午後3:10 · 2020年3月19日

https://twitter.com/fskating_Life/status/1240521077173800960

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無良崇人が振り返る今季のフィギュア「世界選手権が楽しみだったけれど……」

野口美恵 2020年3月19日(木) 11:30

 

 新型コロナウイルスの影響により、世界選手権は中止となったものの、見応えのあるグランプリ(GP)ファイナル、全日本選手権、四大陸選手権など、それぞれの選手が力を発揮した19-20シーズンが終わった。プロスケーターの無良崇人さんに、今季を振り返ってもらった。(取材日:3月17日)

 

羽生のプログラム変更は「成功だった」

 

――まずは世界選手権での頂上決戦が予想された男子3人(羽生結弦、ネイサン・チェン、宇野昌磨)について、今季の戦いぶりを伺いたいと思います。羽生結弦選手は、四大陸選手権での好演が印象的でした。

 

 四大陸選手権では、曲を平昌五輪シーズンのものに戻したことが、大きな変化でした。演技を見た印象は、ショート(プログラム)もフリー(スケーティング)もすごく自然に動いているなあ、というものでした。もちろん今季の「秋によせて」と「ORIGIN」も良いプログラムですが、「この動きをしよう」という意図が見える。でも四大陸選手権であらためて「バラード第1番」と「SEIMEI」を見ると、こんなに自然で身体に刷り込まれているプログラムなんだということを痛感しました。

 

――「バラード第1番」は、これ以上ないパーフェクトの演技でしたね。

 

 滑り出しの一歩目から最後までがずっと繋がっていて、よく「一つの作品として繋がる」と言うけれど、こういう事なんだな、というのを感じました。ジャンプを自然の流れのなかで跳んで、自然の流れで出て行く。いわゆる“ハマりプログラム”ですよね。自分もそうでしたが、ハマるプログラムというのは、何も感じないうちにあっという間に滑り終えているような感覚になるんです。羽生選手の良さがすべて伝わってきて、さすがだなと思いました。曲を戻すというのはリスクのあることですが、彼の演技を見たら誰もが「その戦略は成功だった」と納得する演技でした。

 

――「SEIMEI」は、4分半を4分にリニューアルしたプログラムでした。

 

 30秒縮めた部分をいかに出さないかが、よく練られていました。自然に切って繋いでいるので、どこが変わったのか分からないくらいです。そして最後のパートは、音楽と振り付けの相性を崩したくないということで、ピッチを上げて曲自体を短くしたそうです。コレオシークエンスの部分ですが、最後の最後にピッチが上がるのはしんどいことではありますが、それも見事にやってのけていました。

 

――4分になっても、魅力的なプログラムでしたね。

 

 平昌五輪までのシーズンよりジャンプ数も違いますし、修正してからの練習時間は短いと思うので、羽生選手としてはまだ100%の力までは出し切れていなかったと思います。でもやはり「SEIMEI」の曲は彼になじんでいて、良い意味での余裕が感じられました。

 

 その分、世界選手権に向けてはジャンプ構成も上げて来ると思っていたので、すごく楽しみに感じていました。この「SEIMEI」で新たに試行錯誤して、どういう演技、どういう勝負になるのか期待出来たので、試合の中止は少し残念なことでした。

 

 

4回転ルッツの復活は「計画的なもの」?

――世界選手権があれば、4回転アクセルに挑戦したかもしれませんね。

 

 どこまで仕上がっているのかは分かりませんが、現役選手の中で最も成功する可能性があるのは羽生選手であることは間違いないです。しかし「4回転と半分」の「半分」というのは本当に難しい部分です。

 

 あまりに耐空時間が長いので4回転くらい身体を締め付けることが出来ず緩んでしまう。もし緩まずに締め続けられるようになったとしても、高さ・幅・回転速度のすべての条件を完ぺきにそろえないと跳べない、本当に難しいジャンプだと思います。

 

――羽生選手の場合は、高さ・幅・回転速度、すべての力量があるように感じます。

 

 羽生選手は、高さも幅もあるので、ジャンプの質は良いです。でも試合で降りるためには、その質の高い状態をコンスタントに身に付けなければなりません。それに4回転アクセルに全神経を集中させると他のジャンプが崩れかねないですから、大変なこと。4回転ルッツまでを、難なくノーミスで跳べるという自信があってこそ挑める大技です。

 

――4回転半まで回るためには、あと何がコツになりそうですか。

 

 羽生選手の練習を見ているかぎり、やはり高さと飛距離を出しつつ、どうやって回転をかけるかを試行錯誤している様子でした。スピードを出せば飛距離は伸びますが、スピードがあり過ぎると左足が先行してしまい、高さが出せなくなります。

 

――ブライアン・オーサーコーチは、回転をかけ始めるタイミングを早めたいと話していました。

 

 回転を補うには、回転のかけ始めを早くするのは一つの作戦だと思います。自分が頂点に行くまでに余計に回っておくのは理想です。でも回転を早めにかけると、高さが出しにくくなるというリスクがあります。

 

 今までは両手を前に振って、そこに跳び付くようにして空中で回転をかけていたものを、右手をすぐに身体に巻き付けて回転をかける方法です。体操の選手に近い回転のかけ方とも言えるでしょう。しかしこれをやりすぎると、高さが出ず、跳ぶ方向も今までと変わるので違和感があると思います。とにかく誰も成功したことがないので、憶測のなかであれこれ条件を考えるしかないです。

 

――無良さんも4回転アクセルを練習したことがあるそうですね。

 

 僕の場合も、4回転とちょっと回って転んでいましたが、4回転目の時にはすでに身体が緩んでいました。まずは4回転の中では4回転ルッツが一番、空中にいる時間が長いので、4回転ルッツで耐空時間や身体を締め続ける感じをつかんでいくことも必要だったのかも知れません。そういう意味では、羽生選手は今季、4回転ルッツを復活させたのも、計画的なものかなと感じました。

 

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https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/202003180002-spnavi