<ヘランターニの絵巻物>
ある日のこと、私が地球白龍に対してリーダーとしての資質に問題があると文句をつけると、ヘランターニは私に対して自分の腹に刻まれている絵巻物を見せながらこう言い返して来ました。
「俺の部下が俺に対して文句を垂れている様だが、それはこの絵巻物のせいなんだ、俺は戦闘の第一線に立ちたいんだが、体が言う事を効かない、こいつのせいでな、ちゃんと飛べないんだよ」と。
「その絵巻物をちゃんと私に見せてみろ」
「ウーン、この呪文は一体どこで開発された呪文なんだ? 見た事もない種類の呪文だな、お前はこの三本の呪文を何時打たれたんだ、ヘランターニ」
「俺に聞いたって分かんないよ、龍管の中で寝ている時から入っていたんだからな」
「よーし分かったヘランターニ、私が近い内にその呪文を必ず外してやるから、待ってなさい」
「エッ、それは本当か、約束だぞ、ソロジン」
「うんうん分かったから、待っていなさい」
「ヘランターニはあの呪文を打たれる前から今と一緒だよ、何にも変わってないんだ、昔からずーっとあーだよ」と。
龍王として龍神達には時には「寛大なる所」も見せたいと常日頃そう思っている私であり、性格がねじ曲がっているヘランターニでも、私に対する信頼と敬意を抱かせたいと願っていました。でも、どんなに宇宙中を隈無く探し回っても、この三本の呪文だけが出て来ません。
「やっぱ無いのか、ソロン」
「困ったな、ヘランターニが約束だからと言って、まだかまだかと催促がうるさいんだよな、ソロン、何かいい方法は無いか?」
「呪文の効力とは無関係なんですが、あの絵巻物の姿を消す呪文はあるよ」
「しょうが無いな、それで行こうか、ソロン」
と言って、私はヘランターニを呼び出して腹に浮き出る絵巻物を消して上げました。ヘランターニは大層な喜び様であり、ルンルン気分で戻って行きました。しかし、チビ龍神の誰かがヘランターニにチクった模様であり、それを聞きつけたヘランターニが真っ赤に成って怒鳴り込んで来ました。
「あんたはそういうヤツだったんだ、俺はもうお前なんぞ信用しない、ソロジンとは認めんからな」
調査した結果は「セザナが仕掛けた罠」であるである事が判明した次第です。私は全チビ龍を呼び出して、この罠には絶対引っ掛からない様にと念を押して注意したにも係らず、チビ龍神達はその後もその香しい匂いに負けて次々とパー龍神が続出する事態、頭に来た私が
「お前達は砂糖水に集まるコンチュウなのか、何度も注意したろうが馬鹿者どもめ、そんなにパーに成りたいのか、セザナな罠だって知っているんだろうが、この馬鹿モンが」
「あのね、パーに成った方がハッピーだって言ってますけどね、みんなは」
「誰だ、カリンなのか、俺はお前達をパーにする為にこの世に誕生させたんじゃないぞ、そんなにパーに成りたいなら、仕事などしなくても良いからずっと匂いをかいでいろ、死ぬまでだ馬鹿モンが」
セザナとの戦闘が小休止をして、暇になった次の瞬間から毎度の話ですがいつもこんな事件ばかり起こるんですね。私は幼稚園児の合唱団に向かって指揮棒を振り続ける「園長先生」、一体どうしたらコントロールが出来るんだろうと、頭を抱え込む毎日でしたが、普段はこんな龍神達でも戦闘となれば気合いが入る様子、「行けー」とか「やれー」といった戦闘号令には従うんですね。これは私事ですが、今はやっと龍神達との縁が切れて、私はハッピーになりました。やってられませんもの!!







