昨日のお笑い実力刃でフォークダンスDE成子坂さんの特集が放送されました。

非常に感慨深かったです。

というのも、
僕がお笑いを始めるきっかけとして、
フォークダンスさんが多大なる影響を与えてくれてるんですね。


僕が中学生の当時、
世間はボキャブラブームが起きてました。

その中で僕がツボにハマったのは、
フォークダンスさんでした。

フォークダンスさんをきっかけにお笑いに夢中になった僕は、
お年玉でフォークダンスさんのネタが入っているビデオを買いました。

ギャグウォーズという名前のビデオです。

そのビデオにはたくさんの芸人さんのネタが収録されていたのですが、
やはり釘付けになったのはフォークダンスさんのコントでした。

とにかく面白くて、
初めて見た時は息ができなくなるくらい笑いました。

もうそのコントを何回も何回も見て。

それからフォークダンスさんが出てるネタ番組を探して録画して見まくりました。

そしてフォークダンスさんの単独ライブ映像である自縛というビデオを買い揃えていきました。




当時の月のお小遣いが1000円でしたから、
相当がんばったと思います。

当時から僕はボケ気質ではなかったので、
ツッコミの村田渚さんに憧れるようになりました。

こんな面白いツッコミになりたい、と。


まあでも僕はクラスでも地味な方でしたので、
そんな風になれるわけないという諦めもあり、
高校卒業あたりではコピーライターという夢を持つのですが。

しかし大学に入り、
ひょんな事からお笑いサークルでライブに出る事になりました。

そこで高校からの同級生だった大重とラックチャックというコンビを組みます。

大学内でライブに出るようになり、
ほどなくして外部のライブにも出るようになりました。

そんなこんなで1年くらいした時。


他大学での文化祭にお呼ばれしてネタをやる事になりました。

その文化祭に行った時、胸が高鳴りました。


なんとその文化祭のMCが村田渚さんだったのです。

うわうわうわうわうわうわうわうわ。


やばい。これはやばいと思いました。

お笑いを始めてまだ毛も生えてない僕が、
あんなに尊敬していた村田渚さんに会える機会がこんなに早くやってくるなんて。

でも人見知りな僕は村田渚さんが目の前にいるのに声もかけられず。


少しでもネタで印象を残すしかないと思った僕。

15組くらい出演している上、
その辺の大学生のネタを見てくれるはずはないと思いつつも、
とにかく気合いを入れて、舞台に臨みました。

ネタがウケたかウケてないかは覚えてません。

今思えば良くないことなんですけど、
目の前にいるたくさんのお客さんよりも、
袖で見てるかどうかわからない村田渚さんに向かってコントをやりました。

ライブ後、
このチャンスを逃してはいけないと意を決して、
勇気を振り絞り村田さんに声をかけました。


「突然すみません!
今日出演していたラックチャックというコンビなのですが、
もし、もし見てて頂けてたらダメ出しを頂けないでしょうか…?」


すると村田渚さんは

「見てたよ。あのショートコントやってた子達だよね
あのショートコントはあーでこーで…」


なんとちゃんと見てくださってた上に、
1つ1つ丁寧にアドバイスをくださいました。

もうこれだけで涙が出そうなくらい嬉しかったです。

これをきっかけにやるぞと一念発起した僕。


その後色々なライブに出て1年後くらいでしょうか。

お笑い事務所に所属になりました。

プロの世界は厳しく、
毎月の事務所ライブでずっと最下位を取り続ける僕ら。

しかしその事務所ライブで優勝すれば、
売れっ子芸人がたくさん出演するスペシャルオールスターというライブに出れるという特典がありました。

とにかくそれに出たくて。

事務所ライブでもがき続け、
所属して1年半後くらいでしょうか。

初めて優勝する事ができ、
スペシャルオールスターに出演する事が決定しました。

そして偶然にも、
そのスペシャルオールスターの出演者を見ると、
そこに村田渚さんの名前がありました。


村田渚さんがいる…!


あの文化祭から2年半くらい経過していますし、
僕らの事なんて覚えてなくて当然なのですが、
少しでもあの頃より成長した姿を見せたい。

当日、気合いの入った僕は、
ネタを1つでも改善できないかと入り時間の1時間前に入りました。

すると僕よりも先に、
その楽屋にいたのは村田渚さんでした。


渚さんだ…!


僕は緊張しつつ

「おはようございます!」

と挨拶をしました。


そこでの村田渚さんの第一声が




「ラックチャックやんか!
またこうやって会えたな!」




こんな事あるかよ。

あの文化祭でちょっとだけ話した、
どうでもいい大学生の事をコンビ名まで覚えてるなんて事あるのかよ。

この人、どんだけお笑いが好きなんだよ。

正直、その場で泣き崩れそうなくらいの感激が襲いましたが、
泣くわけにいかないのでグッとこらえて


「覚えていてくださって、
またお会いできて本当に嬉しいです…」


と声を振り絞りました。

この時、元々お笑いはそうですけど、
人間的にも心から村田渚さんを尊敬しました。

この人みたいになりたいと思いました。


その後、
他の芸人さんがくるまで少しお話をさせて頂きました。

至福の時でした。

相方の大重が来た時も、
まだ来るんじゃねぇよとすら思いました。


この数年後、
村田渚さんは亡くなってしまいますが、
今でもずっとお笑いとしても人間としても尊敬しています。


そのフォークダンスさんが、コントが、
今になってTVで特集されたのは本当に嬉しかったです。

今でもやっぱり面白くて、新鮮に笑えて、
心から尊敬するコンビだった事を再確認しました。

お笑い界の片隅ではありますが、
今でも少しでも村田渚さんに近づけるようにがんばっています。