セインツ的には「スター」(ニッケルCBとビッグニッケルのハイブリッド)と同じぐらいニーズと思われるEdgeに焦点を当てます。
【 DCステイリーのスキームにフィットするEdge 】
ステイリーが求めるEdgeの理想像は、①身体能力・運動能力、②スピード、③カバーに下がれる、④1人でランを止められる(特にアウトサイドに進まれるのを全力で阻止する)の4点です。こんなんはっきり言って無理。②を求めればデビット・ベイリーのような比較的軽量なタイプ、③を重視すればアーベル・リースのような汎用性、④なら体格やリーチも重要になってきます。そんな万能な選手はオールプロレベルしかいないので、どこに重点を置くかがカギになります。セインツのアシスタントGMジェフ・アイルランド(ドラフト担当)はコンバイン時の会見で「以前はパワーとサイズを重視していたが、今はアスレティシズムを優先している」、「アスレティシズムを重視するが、サイズよりも腕の長さと体格も新しい基準で評価する」と発言しており、これが大きなヒントになります。トーン的にはまずスピードや俊敏性、機動力、その次に体格や腕の長さ、体格はおそらく重すぎず軽すぎずが良いはず。軽ければ当然スピードは上がるでしょうが、軽すぎるとランを止められない、特にアウトサイドをコンテインできない。ステイリーのスキームは2ハイルック、シムからの4メンラッシュ、ゾーンディフェンス(カバー3多め)なのでどうしてもボックスが薄くなりがちです。この弱点をケアするために、スロットの役割を軽いCBではなく多少体格のあるSが担うビッグニッケルを採用した上で、Edgeにラン守備の重責を求めます。特にアウトサイドへランを展開させないようしっかり外側を堅めることを求めます。②③④を同時に求めるのが非常に難しい。
アキーム・メサイドア (マイアミ大) 6-3 / 259 1巡後半
ベインの逆サイドでカレッジ最終年のプレーオフはコンビで大暴れした。1歩目の爆発力、外側をめくる際の姿勢・角度、腕を使ってブロックをかわすパワーとテクニック、真っすぐ突っ込むと見せかけて内側に切り込むクイックネス、QBからRBへ切り返すしなやかな動きが優れる。ギャップが空いてる状態を見逃さずすかさず突っ込む。ランに対しては内外にかかわらずブロッカーをかわしボールキャリアーに迫る。常に腕と足を動かし続ける運動量とボールの在りかを意識する冷静さをあわせ持ち最後までプレーし続ける。3ポイントでプレーしてきたが2ポイントにも即座に順応できると思う。既に25歳である上に足のケガでシーズンエンドした過去をふまえると、プロでのピークが短くなるリスクがあり、評価を下げている。セインツ的にはカバーに下がる能力が未知数である以外は完璧にフィットするが(サイズとパワー、アスレティシズムを兼ね備える)、如何せんこのリスクは無視できない。2巡ステイで指名するならアリっちゃアリだが、トレードアップはしない方がいいかも。健康状態に問題がなければ即戦力級。
カシウス・ハウエル (テキサス農工大) 6-2 / 253 1巡下位から2巡上位
スピードとパワーを兼ね備えた身体能力の高いアスリート。1歩目の爆発力と相手と接触した瞬間のクイックネスで一気に外側をめくりQBに迫る。このスピード感が魅力的。腕と足を動かし続けブロックを外しQBを捕まえるフィニッシュ力もある。冷静な状況判断と反射神経でボールキャリアーに切り返すのも、飛んできたボールに反応するのも速く鋭い。カバーに下がる経験も十分にありINTを決めたプレーもある。TEやRBをカバーする運動能力を持ち、ゾーンへ下がってからの位置取りや動きもスムーズ。ベインほどではないがサイズとリーチの短さが懸念点。カレッジの試合では問題なく対応できたが、プロのTは短い腕を絡めとるような動きをしてくるので、対応するのに苦慮する可能性が高い。パスラッシュのパターンは豊富に持つがテクニックやハンドワークはさらなる洗練が必要という指摘がある。セインツ的にはアスレティシズムがある有力なプロスペクトだが、ラン守備において体格以外にも未知な面があり、1年目から3ダウンで起用するのは難しいかもしれない。パスシチュエーション限定のローテからスタートする感じ。
マラカイ・ローレンス (セントラルフロリダ大) 6-4 / 253 2巡
理想的なサイズ、リーチ、スピード、パワーを持つ。腕の使い方がうまくかつパワフルで相手のパワーを完全に無力化する。特に外側を巻く際にその威力を発揮し、姿勢や角度も綺麗で滑らか。ブルラッシュやゾーンブロックを押しのける際にも腕を有効に使って突破する。クロスも得意で真っすぐ突っ込むと見せかけて即座に回り込む動きはキレッキレで素早い。QBやボールキャリアーを執拗に追い詰めフィニッシュ力もある。ランに対しては長いリーチを生かしOLに対応しつつも真横のRBに飛びつきダウンさせられる。ボールの位置を意識し冷静にプレーを切り替える。シムからカバーに下がる経験もある。セインツ的にはアウトサイドのランに対して1人で封じ込められるかが未知数だが、それ以外は完璧にフィットする。コンバインの成績が良く評価を上げている。
R メーソン・トーマス (オクラホマ大) 6-2 / 241 2巡
初速の爆発的なスピード、そしてスピードをパワーに生かすことに優れ、ブロックが完成する前に一気に外・内へと切り込むことができる。スピードゆえのフィニッシュ力が高くプレーメーカーでもある。ブロックに捕まると押しつぶされるが、ハイモーターで豊富な運動量と強靭な足腰で動き続ける限り相手を跳ね返し、ゾーンの隙間を突くこともできる。ハンドテクニックやパスラッシュプランも多彩で、純粋なパスラッシャーとしては大きな飛躍が期待できる。RBを追いかけるスピードも切り返しも素早く確実にダウンさせる。一方、腕の短さが顕著で、ベインやハウエル同様の懸念がある。特にトーマスはサイズや体格も小さく、ラン守備でエッジを固めることができるかかなり疑問がある。多くのケガ歴があり耐久性も課題。セインツ的には体重とリーチ不足、そしてケガのリスクがあり、指名は慎重に行きたい。パスシチュエーションに特化させるというのも手だが。
ジェーシャウン・バーハム (ミシガン大) 6-3 / 240 3巡から4巡
3年間オフボールLBを担い4年目にEdgeへコンバート。アーベル・リースの劣化版と言われる。スピードだけでなくカウンタームーブの俊敏さと腕を伸ばしてOLを引き離し一気にQBに迫ることができる、コンタクトを受けてもバランスを保ちラッシュを続けるなど、Edgeとしてのテクニックは発展途上ながらも身につけてはいる。LB出身だけありボールの位置の読みが鋭く反応も素早い。カバーに下がればパスコースを読んでINTを決めたりTEやRBに密着することができ、RBへのタックルも鋭く堅実。特にスクリメージライン付近でブロックを処理し確実に仕留める点は一貫して強みがある。しかし、オフボールLB時代のように積極的に突っ込んで止める意識が高く、外を封じて中へ追い込むという役割がまだ刷り込まれていない印象。また、スピードをパワーに変える力はまだ身についておらずパスラッシュのテクニックも発展途上。特に四つに組んでしまうと剝がせない。リース同様このタイプにおいて常に懸念される中途半端に終わるリスクも高い。セインツ的には使い方次第という感じ。特にカバー能力の高さは見過ごせない。
個人的にはこの中ではローレンス、時点でハウエルという感じ。ケガのリスクはやはり避けたいというのと、ステイリーがEdgeにアウトサイドのランを封じることを求める点は考慮せざるを得ないというのが理由です。Edgeはトップ10クラスじゃないと短所が顕著に見えてきますね。