国際会計基準の「誤解」、金融庁が異例の解説書 | 依田会計IT室長によるOBC奉行活用術

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少し前ですが・・・


『国際会計基準の「誤解」、金融庁が異例の解説書』 という記事が4/24の日経新聞に掲載されました。


金融庁では国際会計基準に関して、全体的事項11項目と、個別的事項6項目の計17項目について説明されています。


http://www.fsa.go.jp/news/21/sonota/20100423-2.html


この資料はかなり会計の専門家以外へ向けて、平易な表現で分かりやすく書かれています。


その中で私が特に気になったのは、


『全面的なITシステムの見直しが必要か』に対して、


『既存のシステムの全面的な見直しは、必ずしも必要ではない。』




確かに、利用企業としては必要のないITシステムの更新は避けたいところです。



さて、冷静に、IFRSに関連して、ITシステムの更新は必要か?について考えてみるとき、


個別的事項の⑤にも記載がありますが、売上計上基準が変わるのではないかという話もあります。


売上計上基準としてはおそらく国内では出荷基準が多くとられていると思われますが、


到達基準・検収基準などに変更する必要があるといわれています。


IFRSは原則主義ですので、具体的な計上方法を決めているわけではありませんが、


今、売上計上の根拠として、5つの条件が記載されているそうなので、それを満たすことを考えると、


いままでのとおり、出荷基準では満たされないだろうということのようです。



IFRSの売上計上基準についてもう少し詳しく知りたい方は、このサイトは分かりやすいと思います。


[6]収益認識 - キーワードで理解するIFRS(ITPro)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20090810/335433/


仮に売上計上基準が変わったら、販売管理システムはどうしますか?


現在出荷日で売上が計上され、会計上の売上も出荷日で計上されているわけですが、


売上の計上日だけ、検収日まで待つ必要があるとすれば、システムもそれに対応する必要があります。


決算時だけ未検収のもののみ調整することで対応できるという意見もありますが、


大量に出荷があるとすれば、決算時のみの調整すら膨大な作業になりはしないかと危惧します。


単純にシステムの売上計上を検収日とすれば良いような気もしますが、それでは社内にある在庫と


システム上の在庫が一致しなくなります。やはり、社内管理上は出荷日の把握は避けて通れません。


つまり、システムで対応する必要が高いということです。




このように売上の計上基準が変わるとしたら、システムは変更しなくても良いのでしょうか。


IFRSを適用するからシステムを変更しなければならないという議論は早計すぎるとおもいますが、


結局こうやって、売上計上基準がかわるとか、システムを見直さざるを得ないものが多いのではないでしょうか。


かえって誤解を与えそうな気がしなくもありません。




また、全体的事項の②でも掲載されているように、中小企業では国際的な資金調達が必要でなければ、


IFRSの適用は必要ではないとされていますので、そもそもITシステムの件について考える必要がある


会社は限られることになります。


しかし、以前参加したIFRSのセミナーでは講師の先生が日本の会計基準の構成・性格・成り立ちから考えると、


中小企業の会計基準も上場企業の基準を参照することになる為、ほんとに中小企業は気にしなくても良いのか、


個人的には疑問が残っています。



正直、対応できるように情報収集は怠らないようにすべきだと思いますが、もう少し様子見たいところです。


(2010.05.03 一部訂正)



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