魂のつながり 『ソウルメイト』 | あなたの知らない韓国 ー歴史、文化、旅ー

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 非常に温かい気分になる韓国映画を見ました。

 

『ソウルメイト』(監督:ミン・ヨングン 2023年)

 

 友達の中でも価値観の違いでしょっちゅう衝突したりするのに、なかなか離れられない。別れようと思っても、何か気になるそんな存在はありませんか。ひょっとしたら、魂レベルでつながっている存在なのかも知れません。そんな人間関係を描いた映画です。

 

 

 映画は美術館の公募展で大賞に選ばれた一作の登場からはじまります。それは「作者・ハウン」が、高校生時代のミソという女性を題材にした絵画でした。ミソとハウンは、小学生からの大親友で済州島の学校に通っていたのです。2人は絵を描くのが好きなでした。性格や価値観、家庭環境も違うのに、互いにかけがえのない大切な存在でした。

 

 しかし、男子学生ジヌとの出会いが2人の運命を決定的に違う方向へ導きます。ミソは済州島を離れソウルに行ってしまいすれ違いになって16年目、ハウンはミソに対して謎を残して姿を消してしまう。映画の終盤では思いもよらないすさまじい半生が明らかに。そして2人だけの深い秘密が明らかになります。

 

 映画の最後は感涙に濡れていることでしょう。ソウルに行ったミソと、済州島に残ったハウンの職業観や金銭感覚の違いも、大都市と地方の違いを表すようで印象的です。

 

 また済州島のコバルトブルーの美しい海や、ハウンが鉛筆で描いた細密画はまるで写真のようで、絵を見る楽しみも味わえます。

 

 人間関係ではいろいろと衝突があったとしても、魂のつながりで意味があって引き寄せているものかもしれません。表面的なことで一喜一憂せずに、今ご縁で生きていることに感謝しよう、そう思える映画でした。

 

キャスト

キム・ダミ、チョン・ソニ、ビョン・ウソク