ロングラン上映「ひとくず」の上西雄大監督初長編 「恋する」 | あなたの知らない韓国 ー歴史、文化、旅ー

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 皆さん、上西雄大監督の「ひとくず」という映画はご存じでしょうか。以前のブログでも紹介しましたが、児童虐待を主題にした映画で現在話題になっている映画で、全国のミニシアターで上映されています.大阪市淀川区のシアターセブンでは、昨年11月末から上映がはじまり、もう5ヶ月のも渡ってロングランで上映、重い内容ながら泣き笑いで観客をひきつけています。

 

 

 

 

 上西監督は本来、TEN ANTSという劇団で演劇を主体に活動されて来た人で、「ひとくず」は長編映画2作目、「ひとくず」のさらなるロングラン上映を祈念して、長編第1作目の「恋する」(2018年 86分)がシアターセブンで上映されました。

 

 この映画は、賢島映画祭で主演男優賞や助演男優賞を受賞したマニアな作品でもありす。 舞台は大阪府豊中市。実際に上西監督が自ら経営する焼肉屋“さしの花”を中心に繰り広げられる群像劇であります。監督が主催する劇団テンアンツ所属の俳優が勢揃いで、監督はもちろん、徳竹未夏、古川藍など「ひとくず」でおなじみの人が登場します。

 

 焼⾁店さしの花は、離婚歴のある⾼橋(上西雄大)が経営する店。店は⾼橋をひそかに思うパートタイムの清美(徳竹未夏)や、店⻑⾼橋に亡き⽗の面影を求めるアルバイトの佳奈などによって、切り盛りされています。一方で⾼橋は十三のホテトル嬢スミレ(古川藍)に想いを寄せますが彼女は聴覚障害者。優しいながら不器用にしか生きることのできない人々の恋を温かくもユーモアたっぷりに描きます。

 

「ひとくず」とは全く趣が違い、それよりは気楽で、笑って泣かせる松竹新喜劇みたいな上品な優しさ煮包まれています。でもその中でも、聴覚障害者の生き方、中年男性の自殺、離婚問題やシングルマザーなど、現代社会らしい問題も提示されるのはさすが、「ひとくず」に続く一面も見られて面白いです。とても温かい映画でした。

 

 「恋する」は3日間の限定上映だったようですが、「ひとくず」も見て、上西ワールドにひたるのも粋だと思います。

 

 

 

 

 また劇場のシアターセブンは上映後の舞台挨拶が多いことも魅力です。「ひとくず」では毎回舞台挨拶があるのが半端ではないところですが、「恋する」でも上西雄大、徳竹未夏、古川藍の3氏の舞台挨拶がありました。役者の生の素顔に会えるのが舞台挨拶の魅力であり、上西映画に一層親しみが湧きました。そこでは次回上映予定作の「ねばぎば新世界」の紹介もありました。上西雄大、赤井英和のダブル主演で、大阪市西成区の新世界を舞台に、二人の男の生き様を人間味たっぷりに描いた作品だとのことです。これも上映が待ち遠しい一作ですね。

 

 

 

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